安楽寺本堂の裏から 石段を登っていく先
木立の奥に三重の塔が見えてきた。
この八角三重塔は、2004(平成16)年
建築部材の年輪年代調査により
1290年代(鎌倉時代末期)に建立されたと推定される建物で
時代背景から領主だった塩田北条氏が
寄進したものといわれている。
江戸時代以前に建てられた現存する唯一の八角塔で
禅宗様建築としては日本最古の建物とされ、
1952(昭和27)年に 国宝に指定されている。
塔の高さ18.75mで 一見 四重の塔のように見えるが
一番下の屋根は裳階(もこし)といい塔の庇になっていて
全体が中国宋時代の禅宗様(唐様)を
忠実に反映しており極めて貴重な遺構となっている。
2011(平成23)年には
約60年ぶりに屋根(柿葺・こけらぶき)の全面葺き替え
及び約90年ぶりに相輪(塔頭部)の補修が行われている。
内部には禅宗寺院には珍しく大日如来像が安置されている。