アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

幸せじょうずになりたいの

2013年06月02日 | 生活
中村うさぎさんってご存知ですか? 私は、お買い物エッセイを読んだことがあります。常軌を逸したブランド狂い、買い物依存症といっていい状態なんですが、それをネタにすることで、出版社から前借りして自転車操業をつないでいるすごい人って感じ。

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その後は読んでいなかったのですが、買い物が一段落してから、今度はホストに貢ぎ、さらには整形にハマったという話を何かで目にして、いやすごいなどこまでいくんだろうと思っていました。

で、先日、「赤毛のアン」つながりで、幸せってなんだろう的なことを考えつつ、小倉千加子の「「赤毛のアン」の秘密」→「幸福論(小倉千加子+中村うさぎ)」 いまココ。

中村うさぎの行動はほんものの嗜癖かネタか、っていうところがひとつ誰でも思う疑問だけれど、本人としては
「本物の嗜癖というのがどういうものかわからないので、自分が本物かどうか、いまだにわからないんです」
とのことです。小倉さん曰く、その行為によって生活崩壊、破綻してそれ以上立ち行かなくなったら依存症。うさぎさんのは回っているのでつまりまだ「底をついていない」と。

まぁ、病気(依存症)と呼ぶか呼ばないかはどちらでもいいとして、うさぎさんは、何か「苦しい」状態に置かれていて、そこを抜け出すために買い物とかいろいろするんだけれど、なかなかゴールにいきつかない、とそういうことらしい。ネタなのかどうかはなんともいえないけれど、元がなくてはここまでやれないので、ネタであったとしても、自分の抱える現実をネタにしていたらものすごい成長したってところなのかもしれません。

苦しい状態というのは…「生まれてきたことに意味なんかないと思うんですよ。ただ、自分が生まれてきたことに意味を付加するのが自分の使命だと思ってるんです」とうさぎさん。「意味づけ」という到達点にいったら満足できるはず、なのか?

「意味づけ」のひとつの方法(?)として「ブランド物」があって、それはふつうでいうとまぁステイタスというか(リッチな旦那さんをつかまえたんだぞ、みたいな)なんだけど、うさぎさんの場合、借金してブランド物を買いまくっているわけで、得たバッグなどはすでに勲章ですらない。

なんか空しいサイクルだっていうことは、自分でもわかっているけど、人生の意味づけという崇高な目的からはハズれられないものらしい。このまじめさは何かに似ていますね…そうそう、オウム真理教の若者たち。

と、思ったら、うさぎさん自身がオウムについて言及し「絶対的な真理がこの世にあって、それを手に入れないと、人間には生きてきた意味がない」という幻想を持っているところが、自分に似ているといっています。ただ、
オウムの場合は「あらゆる欲望をそいでいったら、真の自分に到達できる」という幻想、
自分の場合は「あらゆる欲望を制覇していったら真の欲望が姿を現す」という幻想。
似ているけど、真逆。そこまでわかっていて、抜けられないのね。ほんとに、幸せ下手。うさぎさんは、自分が自分を幸せにできない、と、自分の「(幸せ)能力」に絶望しているのだそうだ。

買い物をする行為は幸せではないのかというと、これがまた難しいところで、あくまで「快感みたいなものの一瞬」はあるのだけど、それは持続しない。幸福という「状態」ではない。快感が過ぎ去ると、またさらなる快感を求めてしまい、状況としてはいつもいつも苦しい。

「これでいいや」と思える状態には到達できない。振り返ると、何千万円分のゴミの山。うさぎさんはそこで殺伐とした気持ちになり、もうこれ以上、モノはいいやと思ったそうなのですが、それでもまた次の依存(ホスト)の波が来た。

快感(点)をいくら集めても幸福(線)にはならず、このきりのない感じ、すごくわかるような気がするというか私も若いころ非常に「幸せ下手」であって、でもいつの間にか「幸せ上手」になったと思うんです。20年くらいかかった変化で。でも、元々もうさぎさんとは違っていたような気がするんですよね。「人生の意義」とか全然気にならないし。

自分のことを客観的にも見られて描写力もあって、いつもまじめに幸せを追求しているのに幸せ下手な中村うさぎ、
幸せ上手のカリスマみたいな赤毛のアンを書きながら、自分は非常に幸せ下手だったらしいモンゴメリ、
赤毛のアンを愛読しながら、それによって幸せ上手にはなれなかった(ような気がする)私たち、

みたいなことをつらつら考えていたらぜんぜんまとまらないうちにこの長さってどうよ。(まだ続くのか?)

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コメント (15)
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