本はよく読むほうだと思うけど、大人になってからは実用書系が多くてあまり「味」のあるような読書は少ない。
←運命の出会い、一目で恋におちる。
でもこれは愛読書という一冊を挙げるならば自信を持ってこれ:
「パリ左岸のピアノ工房」(T.E.カーハート)
これは、大人再開ピアノの彼がピアノ工房、ピアノ、先生に巡り合って音楽のある生活に没頭していく様子がしみじみ書かれていて、もう本のどこもかしこもピアノ愛の共感に溢れていて幸せな気持ちになる。
けれど、この本を読んでいて唯一、心にひっかかることといえば…そう、
カーハートさんは本の前半部分でまず、グラピを手に入れているのだ!!
あーなんかうらやましー
(心の狭い私)
…そういう妬みがちょっとね(笑)
しかし今や私もグランドピアノ購入を決めた人なので(^^)
(納品は14日の予定です!! もうスグ!!)
そこで、新たな気持ちで読み返しにかかりました。
カーハートさんは、中古ピアノを仕入れては修理・調整して売っているというピアノ工房に出入りするようになるんです。ま、その状態になるまではけっこうたいへんだったのですが(パリのやや閉鎖的な商売風土の中で)。
ピアノ工房に出入りできるようになったら、いろんな個性的なピアノ(ヤマハが席巻している日本とは違うからほんとバラバラ)を試弾できるわけで、これはものすごく素晴らしい環境ですが、カーハートさんの場合、試弾の結果、「私はこれがいい」と選んだということではないんです。
工房オーナー(職人)が、「あんたにぴったりのピアノがちょうど来たところなんだ。ちょっと見てくれ」といってきたピアノが、ほんとに運命のピアノだったと、そういう成り行きでした。
カーハートさんちは、狭いし、駆け出しのライターだったもんでお金も限られているし、本人のイメージは「小型のアップライトピアノで、黒いラッカー塗装に多少の疵はあるものの、アクションは完璧で、奇跡的なくらい安いピアノ」だったんだけれども…
紹介されたピアノは、なんとグランド。ウィーンのシュティングル社製(今は亡き)の「オーストリアのピアノ製造史では非常にいい時代」に作られたものだという。
初めは、グランドを買うつもりはまったくない(買えない)と抵抗していた彼だったが、「かわいらしいサイズ(グランドとして小さいだけで、実際はでかいけど)や美しい細部を見ているうちに、わたしの頭にひとつの言葉が浮かんだ。初めは否定してみたが、それでもしつこく頭から消えなかったのは『けなげ』という言葉だった。」←既にめっちゃやられてる状態
そして弾いてみると、「音が鳴り響いたとたんに、思いがけないことに、背筋がぞくぞくした。鍵盤のタッチはなめらかで、いい感触だったが、キーを動かすのにちょっと力が必要だった。(略)そのくせ、そうやって生み出される音は非常に豊かで、柔らかかった。つまり、不思議な、驚くべきことだったが、逞しさと繊細さがひとつになっていたのである。」←もうカタにはめられてるといってもいい状態
このように、スペースについても、値段についても、当初の予定とは大幅に異なる無理をしながらも購入し、にもかかわらずとてもこの買い物に非常に満足しているという(そしてマイピアノのある音楽ライフの始まり)まぁありがちな話なのだが。
私がシンメルとであったときとの相似形を感じて、思わず笑ってしまう。もっとも、私の場合は自分で弾いて「おぉこれは」と思ったんだけれど、中古ピアノの修理・販売を生業とする人ならば、ある人となんどかしゃべったり、その人が試弾している様子を観察するだけで、ぴったりのピアノが見分けられるものなのだろうか??
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
←運命の出会い、一目で恋におちる。
でもこれは愛読書という一冊を挙げるならば自信を持ってこれ:
「パリ左岸のピアノ工房」(T.E.カーハート)
これは、大人再開ピアノの彼がピアノ工房、ピアノ、先生に巡り合って音楽のある生活に没頭していく様子がしみじみ書かれていて、もう本のどこもかしこもピアノ愛の共感に溢れていて幸せな気持ちになる。
けれど、この本を読んでいて唯一、心にひっかかることといえば…そう、
カーハートさんは本の前半部分でまず、グラピを手に入れているのだ!!
あーなんかうらやましー
(心の狭い私)
…そういう妬みがちょっとね(笑)
しかし今や私もグランドピアノ購入を決めた人なので(^^)
(納品は14日の予定です!! もうスグ!!)
そこで、新たな気持ちで読み返しにかかりました。
カーハートさんは、中古ピアノを仕入れては修理・調整して売っているというピアノ工房に出入りするようになるんです。ま、その状態になるまではけっこうたいへんだったのですが(パリのやや閉鎖的な商売風土の中で)。
ピアノ工房に出入りできるようになったら、いろんな個性的なピアノ(ヤマハが席巻している日本とは違うからほんとバラバラ)を試弾できるわけで、これはものすごく素晴らしい環境ですが、カーハートさんの場合、試弾の結果、「私はこれがいい」と選んだということではないんです。
工房オーナー(職人)が、「あんたにぴったりのピアノがちょうど来たところなんだ。ちょっと見てくれ」といってきたピアノが、ほんとに運命のピアノだったと、そういう成り行きでした。
カーハートさんちは、狭いし、駆け出しのライターだったもんでお金も限られているし、本人のイメージは「小型のアップライトピアノで、黒いラッカー塗装に多少の疵はあるものの、アクションは完璧で、奇跡的なくらい安いピアノ」だったんだけれども…
紹介されたピアノは、なんとグランド。ウィーンのシュティングル社製(今は亡き)の「オーストリアのピアノ製造史では非常にいい時代」に作られたものだという。
初めは、グランドを買うつもりはまったくない(買えない)と抵抗していた彼だったが、「かわいらしいサイズ(グランドとして小さいだけで、実際はでかいけど)や美しい細部を見ているうちに、わたしの頭にひとつの言葉が浮かんだ。初めは否定してみたが、それでもしつこく頭から消えなかったのは『けなげ』という言葉だった。」←既にめっちゃやられてる状態
そして弾いてみると、「音が鳴り響いたとたんに、思いがけないことに、背筋がぞくぞくした。鍵盤のタッチはなめらかで、いい感触だったが、キーを動かすのにちょっと力が必要だった。(略)そのくせ、そうやって生み出される音は非常に豊かで、柔らかかった。つまり、不思議な、驚くべきことだったが、逞しさと繊細さがひとつになっていたのである。」←もうカタにはめられてるといってもいい状態
このように、スペースについても、値段についても、当初の予定とは大幅に異なる無理をしながらも購入し、にもかかわらずとてもこの買い物に非常に満足しているという(そしてマイピアノのある音楽ライフの始まり)まぁありがちな話なのだが。
私がシンメルとであったときとの相似形を感じて、思わず笑ってしまう。もっとも、私の場合は自分で弾いて「おぉこれは」と思ったんだけれど、中古ピアノの修理・販売を生業とする人ならば、ある人となんどかしゃべったり、その人が試弾している様子を観察するだけで、ぴったりのピアノが見分けられるものなのだろうか??
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)