「保活」の結果がぼちぼち出る時期なので、そういう(怒りの)記事とかを見るにつけ、胸がざわざわする。
←いろいろと強運でした
知らない人のためにざっと説明すると、保育園には、
・役所を通じて申し込むもの(公立園、私立認可園など)
・個人的に申し込むもの(無認可園)
があって、大雑把にいうと前者のほうが圧倒的に環境が良く、かつ利用料は安い。
我が家は三人の子どもがいて、
私もよしぞうも社会人になってからずっと同じ会社にフルタイム勤務していて、
しかも両方の実家はそれなりに距離があって日常的に手伝ってもらうような状況にはない。
子どもが生まれてからは、引っ越しも単身赴任もしていない。
こんな、この日本ではミッションインポシブルといってもいいくらいスゴイことがなんでできたかというと、
「保活」でダメだったことがないからである。
家から最寄りの私立認可園、しかも非常に良心的に運営されているうえ設備的にも環境的にも恵まれているところに、
三人ともゼロ歳児の四月から入園して六年間お世話になっている。
これは、とにかく一切合財が不平等で差別的な状況の中、
我が家が運にも立場にも恵まれたことからそうなった。
まず最初の偶然は、住居の選定。まだバブル崩壊が明らかでなかった1990年代始めのころ、私たちは公団マンションの抽選に応募しまくっていた。それでたまたま最初に当たったのが今のところなのだけれど、これがまず重要な幸運。
市境をはさんで保育園状況はまったく違う。うちが住んでいる市は、およそフルタイム共働きが確定していればゼロ歳児四月には入園確実といってもいいくらいの混雑状況なのだ。隣の市は、おそろしく激戦で、しかもきょうだいがまとめてお世話になることはさらにハードル高く、ついでに保育料も高い…というとんでもない状況だけど、当時子どものいなかった我々はそんな基本的なことも知らなかった。
知らないまま、たまたま状況のよい市に居を構えたのである。
もうひとつの偶然は、生まれ月。状況がよいといっても、四月以外の入園はほぼ不可能。そして、四月であっても、学年が上がるときにほとんど定員の増えないクラスはなかなか入れない。ゼロ歳児なら、人数こそ少ないけれど、下から上がってくる子というのはいないので入りやすい。
つまり…またろうは11月生まれだ。翌年四月には、満四か月になっており、入園基準を満たし、すんなり入れる。もしこれが12~3月生まれだったら、満四か月になるころにはゼロ歳児クラスの定員は埋まっており、入れない。育休を延ばして待っても、ゼロ歳児から一歳児は定員がほとんど増えないから四月も望み薄(o_o)
これまた、産む前はそんなこと知らなかったので、またろうの生まれ月は偶然。たまたまうまくいっちゃったのだ(二人目、三人目のときは生まれ月について注意を払ったのは当然である)。
でも、どこに住んだからとか、何月に生まれたからとかで運命が大きく変わるのなんて、ほんと理不尽な話だ。1月生まれの子がなんか悪いことでもしたのかよって!!
さて、申込みの資格がある中から今度は「優先度順(?)」に決まっていくことになるのだが、お役所が優先度を判断するにはそれぞれの決まりがある。自治体によって微妙に逆な部分もあったりして、理屈は通ったり通らなかったりする。うちの市の場合はわりとふつうな感じで、フルタイム常勤は強く、パートや非常勤や求職中は弱い。
大企業に勤めてて、産休育休でスタンバイしていれば安泰、
育休なんて知らんって感じで放り出されてあらためて求職しなきゃいけなかったら危ない。
要するに、差し迫って困ってるとか、経済的にも豊かでないとかの人は、実は入りにくい。
さらにいえば、月から金の9時5時勤務ならいいけれど、シフト勤務とか夜間とか不規則勤務とかに保育園の開演時間は馴染まない。極端な虐待で子どもが亡くなったような場合、せめて保育園に預けてくれてればとか思っちゃうけど、そういう親は保育園に申し込んでも通らないし、そもそもお仕事時間からいって送迎ができないなんてことが多いはず。
というわけで、経済的にも立場的にも、安定していて無理のない生活ができてる人に優しいシステムなのです。保育園というのは。
うちはそのシステムに乗っかって共働きを続けて子ども三人を無事育て(ほんとうにすばらしい保育園でした)、
しかもかなり安い保育料しか負担していません。
保育料は収入によって変わるけれど、最高額がかなり安いところに設定されていたので。
(隣の市はもっと高いところに上限がある)
つまり保育にかかるコストのごく一部しか負担していないのですが、
そもそもそのコストが現状のところで抑えられているのは、
保育士さんたちの低賃金ハードワーク(そしてモラルも非常に高い)に支えられているわけで、
なんでそんな賃金でもとてもよい仕事をしてくれるのかといえば
…女性は安い賃金でよい仕事をする…
という社会構造に支えられているんです。そして自分はそのような保育園にお世話になりながら、「女性差別賃金」ではないところでずっと共働きを続けているわけだから、
こりゃもう。石を投げられそうなくらい既得権益の上にあぐらをかいているといわれてもしかたがない状況。せめて、別の形で社会貢献するくらいしか。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
←いろいろと強運でした
知らない人のためにざっと説明すると、保育園には、
・役所を通じて申し込むもの(公立園、私立認可園など)
・個人的に申し込むもの(無認可園)
があって、大雑把にいうと前者のほうが圧倒的に環境が良く、かつ利用料は安い。
我が家は三人の子どもがいて、
私もよしぞうも社会人になってからずっと同じ会社にフルタイム勤務していて、
しかも両方の実家はそれなりに距離があって日常的に手伝ってもらうような状況にはない。
子どもが生まれてからは、引っ越しも単身赴任もしていない。
こんな、この日本ではミッションインポシブルといってもいいくらいスゴイことがなんでできたかというと、
「保活」でダメだったことがないからである。
家から最寄りの私立認可園、しかも非常に良心的に運営されているうえ設備的にも環境的にも恵まれているところに、
三人ともゼロ歳児の四月から入園して六年間お世話になっている。
これは、とにかく一切合財が不平等で差別的な状況の中、
我が家が運にも立場にも恵まれたことからそうなった。
まず最初の偶然は、住居の選定。まだバブル崩壊が明らかでなかった1990年代始めのころ、私たちは公団マンションの抽選に応募しまくっていた。それでたまたま最初に当たったのが今のところなのだけれど、これがまず重要な幸運。
市境をはさんで保育園状況はまったく違う。うちが住んでいる市は、およそフルタイム共働きが確定していればゼロ歳児四月には入園確実といってもいいくらいの混雑状況なのだ。隣の市は、おそろしく激戦で、しかもきょうだいがまとめてお世話になることはさらにハードル高く、ついでに保育料も高い…というとんでもない状況だけど、当時子どものいなかった我々はそんな基本的なことも知らなかった。
知らないまま、たまたま状況のよい市に居を構えたのである。
もうひとつの偶然は、生まれ月。状況がよいといっても、四月以外の入園はほぼ不可能。そして、四月であっても、学年が上がるときにほとんど定員の増えないクラスはなかなか入れない。ゼロ歳児なら、人数こそ少ないけれど、下から上がってくる子というのはいないので入りやすい。
つまり…またろうは11月生まれだ。翌年四月には、満四か月になっており、入園基準を満たし、すんなり入れる。もしこれが12~3月生まれだったら、満四か月になるころにはゼロ歳児クラスの定員は埋まっており、入れない。育休を延ばして待っても、ゼロ歳児から一歳児は定員がほとんど増えないから四月も望み薄(o_o)
これまた、産む前はそんなこと知らなかったので、またろうの生まれ月は偶然。たまたまうまくいっちゃったのだ(二人目、三人目のときは生まれ月について注意を払ったのは当然である)。
でも、どこに住んだからとか、何月に生まれたからとかで運命が大きく変わるのなんて、ほんと理不尽な話だ。1月生まれの子がなんか悪いことでもしたのかよって!!
さて、申込みの資格がある中から今度は「優先度順(?)」に決まっていくことになるのだが、お役所が優先度を判断するにはそれぞれの決まりがある。自治体によって微妙に逆な部分もあったりして、理屈は通ったり通らなかったりする。うちの市の場合はわりとふつうな感じで、フルタイム常勤は強く、パートや非常勤や求職中は弱い。
大企業に勤めてて、産休育休でスタンバイしていれば安泰、
育休なんて知らんって感じで放り出されてあらためて求職しなきゃいけなかったら危ない。
要するに、差し迫って困ってるとか、経済的にも豊かでないとかの人は、実は入りにくい。
さらにいえば、月から金の9時5時勤務ならいいけれど、シフト勤務とか夜間とか不規則勤務とかに保育園の開演時間は馴染まない。極端な虐待で子どもが亡くなったような場合、せめて保育園に預けてくれてればとか思っちゃうけど、そういう親は保育園に申し込んでも通らないし、そもそもお仕事時間からいって送迎ができないなんてことが多いはず。
というわけで、経済的にも立場的にも、安定していて無理のない生活ができてる人に優しいシステムなのです。保育園というのは。
うちはそのシステムに乗っかって共働きを続けて子ども三人を無事育て(ほんとうにすばらしい保育園でした)、
しかもかなり安い保育料しか負担していません。
保育料は収入によって変わるけれど、最高額がかなり安いところに設定されていたので。
(隣の市はもっと高いところに上限がある)
つまり保育にかかるコストのごく一部しか負担していないのですが、
そもそもそのコストが現状のところで抑えられているのは、
保育士さんたちの低賃金ハードワーク(そしてモラルも非常に高い)に支えられているわけで、
なんでそんな賃金でもとてもよい仕事をしてくれるのかといえば
…女性は安い賃金でよい仕事をする…
という社会構造に支えられているんです。そして自分はそのような保育園にお世話になりながら、「女性差別賃金」ではないところでずっと共働きを続けているわけだから、
こりゃもう。石を投げられそうなくらい既得権益の上にあぐらをかいているといわれてもしかたがない状況。せめて、別の形で社会貢献するくらいしか。
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「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)