アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

大人のための「子供の情景」

2017年12月22日 | ピアノ
昭和の時代のピアノ教室で、シューマンの「子供の情景」はわりと人気で、発表会でもよく弾かれていた。

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まぁ、どう「人気」かというと…

年齢がけっこう高くなってきてしまったけどあんまりお指がてきぱき動かない子に弾かせるのにちょうどいい。
というピアノ教師の思惑があったりして(母がそんなことを言っていた)

つまり、指が回る子ならシューベルトの即興曲でも弾かせておくし
回らない子ならシューマンの子供の情景でも弾かせておこう。

…ってな発想では、シューベルトの即興曲もシューマンの子供の情景も、あんまり素敵な演奏にはなりにくいわけで、
正直いってあんまりいい印象ない(-_-;;

自分が弾いたわけではもちろんない。そんなところまで到達していない(最後の発表会はエリーゼのために)

大人再開ピアノでヤマハに通ってたころ、実は「子供の情景」の一部を弾いたことがあって、弾いたのは
第3曲「鬼ごっこ」
第8曲「暖炉のそばで」
だった。先生は「なんでいきなりコレ!?」とものすごく不思議がっていたけれど、要するにこれだったら発表会で弾かれたのを聞いたことがなく(悪い印象がなく)、みんなが弾く曲のつづきを弾いてみたかったということである。

第1曲「異国から」第2曲「不思議なお話」→第3曲「鬼ごっこ」
第7曲「トロイメライ」→第8曲「暖炉のそばで」

「鬼ごっこ」「暖炉のそばで」であれば、音が並ぶとそれなりに楽しい曲ではあるんだけど、この組み合わせで聞かされてもなんのこっちゃって感じで、まぁ人前でこの二曲を弾く人はいないよね。自分でもあんまりピンと来なかったんだけど。

さらにその後、いろんなピアノサークルに出入りするようになってからは、「トロイメライ」とかが音ぱらりと少なすぎてもうどうしようも格好つかない難曲ということはわかるようになった。


さて、先日の練習会で「音楽のなかの言葉」(アルフレート・ブレンデル)という本をお借りしてきたら、「子供の情景」についての章があった。曰く、「大人の演奏家への試金石」。

「この音楽では何も隠すことができない。一つ一つの音が独自の重要性を持って語られねばならず、軽すぎても「意味づけ」のなかに埋もれてしまってもならない。」「この小品集に必要なのは心のこもった配慮と、愛を持った客観性、素直そうな外見である。演奏者は自分が子供になってはいけない。」

なんだか大変なことになりそうだ。

続いて、各曲の性質と、それぞれの関連…たとえば調性の変化であるとかモチーフの扱いであるとか、そういった詳細が語られる。「子供の情景」は短い13曲から成るけれども、全体がつながり響きあうよう工夫された構成となっているので、しっかり考えて弾かないといけない。曲と曲の間を空けすぎないように!

そしてテンポの問題。決して、楽譜に書かれている「数(メトロノーム数値)」で弾けばよいというものではないが(そもそもシューマンが書いたものではない)、頭から無視してよいものでもなく、「総合的に(←何を総合的に考えるのかは長すぎてここに引用する気にはなれない)」あるべき速さを考えないといけない。

ということでこの曲集は決して「トロイメライの楽譜見たら、音符少ないしたったの1ページだし、すぐ弾けると思う」なんて無邪気なことを言っていいものじゃないわけだが、だからといって、トロイメライ怖いよガクブルって避けて通って終わるというのもつまらないと思うので、まぁ別にブレンデル並に素敵に弾けなきゃ弾いちゃいけないって法律はないから、これまた生きてるうちに弾きたいとは思っている。

でもこの曲集を弾こうとする場合、ネックは「運動神経」というより何か別のものだと思うので、「これからの人生今がいちばん若いんだから」今すぐ弾いておかないと、というよりは、ちょっとじっくり取り組む気持ちになれる時間のあるときがいいかなと思う。(そんなこといってると定年後になってしまうか…)

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