大阪大学の入試問題がエライたいへんなことに…
←思い込みって怖い
採点ミスを今から思い直して、30人追加合格のお知らせして個々の意向を聞いて弁償して…とか気が遠くなるよ。
それで何が間違いだったかという話は大学の公式ページにPDFが載っているけど
平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題及び採点の誤りについて
音の反射についての問題…
音叉から直接マイクに届く音と
音叉から壁を反射してマイクに届く音と
強め合う条件を書かせるもの。要するに、距離2dだけ余計に通るんだけど、壁の反射というのは固定端反射なのか自由端反射なのかというのが今回の混乱の元でした。
固定された壁 → 固定端反射
って思って問題と解答を作ってしまったんだけど、
これ、たとえば固定した壁に紐をつけてそれの逆のはしっこから「ぶるん」って波を送ったみたいなことであれば当然固定端反射(逆位相になる)でいいですが、
音って横波じゃないでしょ。
実際は空気の「疎」と「密」が伝わっていくので、壁にぶつかって跳ね返るときには、「密」が「密」で跳ね返されるんで、自由端反射(位相変わらない)なんです。でも、縦波なんて絵に描きづらいからふだん横波として表したりしてるし、それで勘違いしやすいんだと思います。
駿台の解答速報では最初から自由端反射で出てたようです。
まぁそういう状況なんで前からときどき外部からの指摘があったんだけど、いや間違ってませんとかなんか言い張って冬になってしまいました。
今回の訂正ではなぜか、自由端反射と固定端反射の両方を正解として発表していますが、これはいったん正解としたものを不正解とすると影響が大きすぎるからという政治的判断(?)なのか、よくわかりません。特殊な壁だと固定端反射になることがあるのか(薄い膜みたいな壁で中が空洞とか)?
この話で気になることは大きくわけて二点あると思うんですけど、
・大阪大学の先生の資質。
・採点ミスが入試に及ぼした影響。
まず前者…ふつーの人ならともかく大学の物理の先生それでいいの? と思うかもしれませんが人間いろんな思い違いはあるとして、間違いを認めない姿勢は人間としてマズかったですね。
そして後者…この問題を正しく採点してもらっていれば合格した人が、浪人してたり、第二志望の私大に通ったり、それは本人にしてみればたいへんな違いです。今から何をしてくれれば納得できるか…今から入学していいよっていわれてもオトシマエついた気はしないでしょう。ほかにどうしようもありませんが。
ニュースなどでは主に後者について、大変な問題だとして取り上げられていますが…
確かに当事者にしてみれば許せないことですが、おそらくそういう程度の入試の誤差というのは常に起きているんだと思います。しばらく前に都立高校の入試の採点を大幅に見直してみたらわりと間違いだらけだったってニュースがありましたけど、要するにそうやって内部で見直してくれなければ点数の足し算が違ってたところで受験生側に知るすべもないわけですから。
今回のは学校側が公開している問題と答えを元に検討できるからわかるのであって。
(そして大阪大学だから注目されてバレるわけで)
子ども二人が中学受験したときにも思ったのですが、特に塾が注目してない下位校(入試の回数も多かったりして問題も何セットも作らなきゃいけないし)になると出題ミスけっこうあります。はなひめが一月最初に受けた学校なんて、当日のテスト開始時に黒板に書かれる訂正箇所が8箇所もあったり、赤本としてまとまった過去問(すぐわかったミスは訂正済み)を見ても不適切な出題で答えが決まらないとかけっこうありました。採点ミスがあったかどうかはそりゃ知らないけど(^^;;
でも学校は別にでたらめな入試をして受験生を困らせたいわけじゃないです。精度のいい入試をして、ちゃんと優秀な人材を間違いなく選り分けたいのが本音で、その方向で本気に取り組んでいるんです。それでもいろいろ間違ったりすることも出題が下手なことも入試制度にゆがみがあったりする場合も含めてその学校の実力というわけで、
入試の不備で、取るべき人材を取りこぼすのは学校側の損。
取りこぼされた側はどうなのかって…そりゃ痛いけれども入試ってそういう不完全なものなので、なるべく質の良い入試をすると思われる学校を選ぶとか、誤差を乗り越えて確実に受かる実力をつけるとか、自衛しましょう。
* 補足
後日、大学から補足説明が出て、当初の解答と訂正後の解答と両方正解にした理屈が語られている。
「A-I. では逆位相振動モードを設定していた。A-III. の問4では振動モードを特定していなかっ
た。しかし、問5においては同位相振動モードで振動していることを前提として問題が作られ
ていた。A-I. を踏まえて問4を逆位相振動モードで考える受験生もいれば、問5の設問内容か
ら問4を同位相振動モードで考える受験生もいたと思われる。
よって、三つの解答に対しいずれも満点(3 点) を与えた。」
つまり何のことかというと、上記で書いたようになんか特殊な壁で、違う反射をすることもあるのか!? というのはさすがにダメらしいんですが、そもそも音叉が出す音波について、別の振動モードを考えるというならありうるということですね。でも「A-I. では逆位相振動モードを設定していた。」んだからその前提で問題読まれちゃうのがふつうでしょう。かなり苦しい説明…
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採点ミスを今から思い直して、30人追加合格のお知らせして個々の意向を聞いて弁償して…とか気が遠くなるよ。
それで何が間違いだったかという話は大学の公式ページにPDFが載っているけど
平成29年度大阪大学一般入試(前期日程)等の理科(物理)における出題及び採点の誤りについて
音の反射についての問題…
音叉から直接マイクに届く音と
音叉から壁を反射してマイクに届く音と
強め合う条件を書かせるもの。要するに、距離2dだけ余計に通るんだけど、壁の反射というのは固定端反射なのか自由端反射なのかというのが今回の混乱の元でした。
固定された壁 → 固定端反射
って思って問題と解答を作ってしまったんだけど、
これ、たとえば固定した壁に紐をつけてそれの逆のはしっこから「ぶるん」って波を送ったみたいなことであれば当然固定端反射(逆位相になる)でいいですが、
音って横波じゃないでしょ。
実際は空気の「疎」と「密」が伝わっていくので、壁にぶつかって跳ね返るときには、「密」が「密」で跳ね返されるんで、自由端反射(位相変わらない)なんです。でも、縦波なんて絵に描きづらいからふだん横波として表したりしてるし、それで勘違いしやすいんだと思います。
駿台の解答速報では最初から自由端反射で出てたようです。
まぁそういう状況なんで前からときどき外部からの指摘があったんだけど、いや間違ってませんとかなんか言い張って冬になってしまいました。
今回の訂正ではなぜか、自由端反射と固定端反射の両方を正解として発表していますが、これはいったん正解としたものを不正解とすると影響が大きすぎるからという政治的判断(?)なのか、よくわかりません。特殊な壁だと固定端反射になることがあるのか(薄い膜みたいな壁で中が空洞とか)?
この話で気になることは大きくわけて二点あると思うんですけど、
・大阪大学の先生の資質。
・採点ミスが入試に及ぼした影響。
まず前者…ふつーの人ならともかく大学の物理の先生それでいいの? と思うかもしれませんが人間いろんな思い違いはあるとして、間違いを認めない姿勢は人間としてマズかったですね。
そして後者…この問題を正しく採点してもらっていれば合格した人が、浪人してたり、第二志望の私大に通ったり、それは本人にしてみればたいへんな違いです。今から何をしてくれれば納得できるか…今から入学していいよっていわれてもオトシマエついた気はしないでしょう。ほかにどうしようもありませんが。
ニュースなどでは主に後者について、大変な問題だとして取り上げられていますが…
確かに当事者にしてみれば許せないことですが、おそらくそういう程度の入試の誤差というのは常に起きているんだと思います。しばらく前に都立高校の入試の採点を大幅に見直してみたらわりと間違いだらけだったってニュースがありましたけど、要するにそうやって内部で見直してくれなければ点数の足し算が違ってたところで受験生側に知るすべもないわけですから。
今回のは学校側が公開している問題と答えを元に検討できるからわかるのであって。
(そして大阪大学だから注目されてバレるわけで)
子ども二人が中学受験したときにも思ったのですが、特に塾が注目してない下位校(入試の回数も多かったりして問題も何セットも作らなきゃいけないし)になると出題ミスけっこうあります。はなひめが一月最初に受けた学校なんて、当日のテスト開始時に黒板に書かれる訂正箇所が8箇所もあったり、赤本としてまとまった過去問(すぐわかったミスは訂正済み)を見ても不適切な出題で答えが決まらないとかけっこうありました。採点ミスがあったかどうかはそりゃ知らないけど(^^;;
でも学校は別にでたらめな入試をして受験生を困らせたいわけじゃないです。精度のいい入試をして、ちゃんと優秀な人材を間違いなく選り分けたいのが本音で、その方向で本気に取り組んでいるんです。それでもいろいろ間違ったりすることも出題が下手なことも入試制度にゆがみがあったりする場合も含めてその学校の実力というわけで、
入試の不備で、取るべき人材を取りこぼすのは学校側の損。
取りこぼされた側はどうなのかって…そりゃ痛いけれども入試ってそういう不完全なものなので、なるべく質の良い入試をすると思われる学校を選ぶとか、誤差を乗り越えて確実に受かる実力をつけるとか、自衛しましょう。
* 補足
後日、大学から補足説明が出て、当初の解答と訂正後の解答と両方正解にした理屈が語られている。
「A-I. では逆位相振動モードを設定していた。A-III. の問4では振動モードを特定していなかっ
た。しかし、問5においては同位相振動モードで振動していることを前提として問題が作られ
ていた。A-I. を踏まえて問4を逆位相振動モードで考える受験生もいれば、問5の設問内容か
ら問4を同位相振動モードで考える受験生もいたと思われる。
よって、三つの解答に対しいずれも満点(3 点) を与えた。」
つまり何のことかというと、上記で書いたようになんか特殊な壁で、違う反射をすることもあるのか!? というのはさすがにダメらしいんですが、そもそも音叉が出す音波について、別の振動モードを考えるというならありうるということですね。でも「A-I. では逆位相振動モードを設定していた。」んだからその前提で問題読まれちゃうのがふつうでしょう。かなり苦しい説明…
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