アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

コンピュータ将棋とプロ棋界

2018年01月15日 | 生活
ハッシーこと橋本崇載八段は、濃いキャラでネットの人気はとても高い(いじられてるともいう)。私も嫌いじゃないんだけれど…

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彼の本を読んだら(「棋士の一分」)なんだか気になって、ここに書いても伝わりませんがいちおう。

橋本氏はコンピュータ将棋がものすごく「嫌い」というか、ともかくプロ棋士がコンピュータと指すべきじゃないと考えているし、それだけではなくコンピュータを使って研究すべきでないとも思っているのね。

「プロ棋士がなぜ対局料をもらえるのかといえば、将棋というゲームの可能性をファンに見せて夢を与えていることへの対価なのではないだろうか。
その部分に関していえば、スポーツなどでも同じだ。「あんなすごいプレイができるのか!?」という驚きや感動を与え、子どもたちに対しては「自分もあんなプレイができるようになりたい」という希望を抱かせる。
そういう役割を果たしているからこそ、プロが成立する。」(橋本、「棋士の一分」より)

この点について橋本の言うことはもっともだし、それを核として今後の将棋界を盛り立てていこうとする気概に満ちていることはよくわかるのだけど。

「極端な話、すべての解析が果たされてしまえば、どんな局面においても悩むまでもなく最善手が示されることになる。人間同士で対局するなら、その手順をどこまで記憶しておけるかが問われるだけになる。
お互いにそのすべてを記憶しているとすれば、先手になったほうが100%勝つことにもなりかねない。そうなれば、そのゲームに魅力があるかどうかというよりも、ゲームとして成立しなくなる。」

…んなワケないじゃん(^^;;

将棋の「変化」は膨大であり、スパコンでも今のところ完全解析の目処はまったく立っていないが、仮にいつの日か完全解析に至ったところで、それを暗記できる人間は到底いない。

完全解析ではなくとも、コンピュータがはっきりと人間より強くなったら、ある局面でコンピュータが提示する手はたぶん「いい手」なんだから、それを暗記しておけば自力で考えるより「その局面においては」有利だろうというのはいえるわけだけれども、それを暗記して試合に臨もうとしても、暗記手順から一歩逸れたとたん、またそこに未知の大海が広がっているわけでどうしようもない。

コンピュータが人間を追い越して早20年のチェス界、オセロ界でも「コンピュータに教えてもらえば必勝」になってない。前に記事にしたオセロの元世界チャンピオン村上さんは、コンピュータによってやや悪い評価値がついている手をあえて指して、コンピュータ研究している若手に勝ちまくったといっているではないか(笑)

プロ棋士より強いコンピュータが存在しても、プロ棋士のすごさが減るわけでもなく、人間対人間の試合がつまらなくなるわけでもなく、それよりも人間とは違った仕組みで強さを追究しているコンピュータという存在があることで、別の観点からの興味が生まれることもあるので、むしろ(橋本の嫌いな)電王戦、叡王戦が新たなファン層を開拓したのは事実だ。

もちろん、そのようにいろいろと事態が変わっていくのだから、危機感を持っていないよりはしっかり持ってより魅力的な将棋界を盛り立てていこうとするのは正しい態度だけど(橋本さんが理事に当選できたらよかったのにね)

それに、コンピュータとプロの直接対局を避けても、コンピュータ将棋が遅かれ早かれはっきりと人間レベルを抜き去るのは否定できないので、ソコにこだわっても意味無いですよ橋本さん。

ただ、絶対守らなきゃいけない注意点はあると思います。人間対人間の対局のおもしろさを維持するためには…コンピュータが人間より弱いフリをすることではなくて、絶対にカンニングが起こらないようにすることです。実際に起こるかどうかというより、起こせないようになっている絶対の信頼が欠かせないと思います。そういう意味で、某棋士を挑戦者から外したあげく、のちに間違いでしたとか謝罪するという一幕はほんとに大失態だったと思うんです。

モラル任せにしないで、物理的にチートは不可能なようにしておくのが必要だと思います。スポーツマンシップ任せにしないでドーピング検査するのと同じです。それを考えると二日制のタイトル戦とかは難しくなるかもしれません。NHK杯みたいな短い試合だったら、トイレにも立たないから簡単だものね。

…という観点については、橋本さんの本(*)にまるっと賛成です。

(*)事件について「矜持といったあいまいなものを過信し、公正さを保つための方法論を積極的に議論してこなかった。そのような意味が今回の問題は、将棋連盟だけでなく、棋士全員の責任でもある。」といっています。


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コメント (2)
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