アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

大人が弾く「子供の情景」

2018年03月27日 | ピアノ
シューマン「子供の情景」がタイトルどおり子供の情景を描いたものであることはいいとして、
この曲集が子供が弾くためのものなのか大人が弾くためのものなのかというと…

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まぁ子供が弾いても悪くない。というか、昭和のピアノ教室では発表会によく出てきた演目である。ただし、第一曲「異国から」と、せいぜい第二曲「珍しいお話」で終わりになることが多かった(たまにトロイメライ)。

そういう「子供の情景」なら私も何度も聞いたけど…全体がこんなによくできた曲集になってることなんて大人になるまで知らなかった。そういう大人は多いだろうし、それに曲集全体の構成、響き合いを楽しむというのもきわめて大人的な楽しみだから、せっかくなので(昔弾いた人も)あらためて弾いたみたらいいんじゃないかと思う。

アルフレート・ブレンデルに言わせれば「子供の情景」は「大人の演奏家への試金石」だそうで(「音楽のなかの言葉」音楽之友社)、「この音楽では何も隠すことができない。一つ一つの音が独自の重要性を持って語られねばならず、軽すぎても「意味づけ」のなかに埋もれてしまってもならない」「この小品集に必要なのは心のこもった配慮と、愛を持った客観性、素直そうな外見である。演奏者は自分が子供になってはいけない。」

先日の発表会で全曲演奏をしてくれたマイミクさんのコメントにも「我が子が幼かったころの情景を思い出しながら、弾いてみたいと思います」とあったけどまさにそんな感じ、大人からみた子供。同じくシューマンのユーゲントアルバムはもうちょっと違って生々しく子供(とはいえ案外弾くのは難しいんだが)

この13曲のセットはひとつずつ曲調としてはバラエティーに富んでいるけれど、全体を通して聞くと不思議と調和がとれている。ここで「不思議と」などと言ってないで、そのための「仕掛け」をちゃんと理解したうえで弾くのが大人の演奏なのかもしれないが…

ブレンデルさんが述べているのは調性のことと、それから動機のこと。基本となる動機は最初の曲の冒頭に早速でてくる「シソファ#ミレ」だけど、これがのちの曲ではそのままでてくることも違う形になっていることも、転調していることもしていないこともある。ブレンデルさんはこのことについてずいぶんな紙幅を使ってたくさんの例を示している。

私は大人なので(^^;; そう書かれたものを読めば「あぁそうだよね」と思う読解力はあるものの、それで演奏となると「で…だから??」

昔は「妄想」も(妄想すること自体が下手というのはおいといて)妄想したら演奏がどう変わるというのか?? ということ自体が謎だったけど今はそんなに謎に思ってないけど、さて次に謎として残っているのは、曲集の構成(調性やモチーフ)を理解したらそれと「素敵な演奏」ってのはどういう具体的関連があるのか、である。

artomr先生のレクチャーコンサートは、まさにその「どう弾くか」をテーマにするようにお願いしてあるので「ここにもこういうふうに動機が出てきますね」(だからどうした)で終わりじゃないハズなのである(←丸投げ)。楽しみ~(^^)

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コメント (2)
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