昨日の話(フィギュアスケート)の続き。
←ピアノ弾く動作と音楽の合い方ってやや微妙かも
フィギュアスケートと音楽: さあ、氷上芸術の世界へ
どう動くと、音楽と「合っている」と感じるのか?
たとえばだけどマリンバを弾いている人を動画撮影してそれをそのまま流したとしたら、動作と音が合っているに決まっているけど、そのとき映像と音がずれて再生されていたりすると、それがほんとにちょっとでもものすごい違和感になりますよね。(こういうとき人間の時間分解能ってけっこうすごい)
フィギュアスケートの動作と、流れている音楽の一致というのはマリンバの演奏動画のような「必然」はないわけで、人間が見て「合う」と思えるように創っていくのって大変だと思うんですが。
まずタイミングの問題。アンサンブルのとき、生で合わせるなら、相手の予備動作なり合図なりを目で見てタイミングを計ることもできますが、見えないうえに相手はこちらに合わせてくれない(録音)わけで、えらく大変というのはわかります。全部タイミングを「暗記」しておくしかないというか、たぶんもう気が遠くなるほど反復練習して体に沁み込ませているのでしょうね。
というのも、音を聞いてからそれに合うように体を動かしたのでは絶対に間に合わない(合っているように見えない)からです。前述の、マリンバ演奏の映像と音がずれたときの話でいうと、ちょっとだけ映像が早くて音が遅れているほうはまだしも許容できるところ、逆だとめっちゃ気持ち悪いものです。どうしてなのかなと思うと、リアルで音楽を観賞しているときも、ある程度離れたところで聞いているとすれば、光のほうが音より先に届いているからかなと(つまり、慣れている、自然である)。
原田慶太楼さん(指揮者)との対談で町田樹さんがいっているのが
「舞踏表現の中には、特に物語がなく、音楽そのものを動きで表現するシンフォニック・バレエと呼ばれる手法があって、私もそういうフィギュアスケート作品をいくつか作ってきましたが、指揮者の動きは非常に参考になります。まるで全身から音が鳴っているように感じられるので」
これは、どういう動作がどういう音楽に沿うのかという振り付けの話でもあるのですが、指揮者の動きは常に音楽を先導しているということも含まれているように思います。素人が指揮の真似事をすると、音楽を聞いてそれに合わせて動作してしまうので遅れがちになりますが。
そして、フィギュアスケートを見ていて、動作のタイミングは音楽といちおう合っているようなのだけど、なんとなくイメージ的にちぐはぐ?? と感じるときは何が起こっているかなのですが、なんか曲が激しいのに動作がゆっくりに見える…いや、滑っているのだから実際はたいそうなスピードで移動はしているのでしょうが、スーッと滑らかに進んでいって体の動き自体はゆっくりだと、なんか合わないような気がしてしまうんですよね。
町田さんが書いている「フィギュアスケートと音楽の相性の秘密(「フィギュアスケートと音楽」の中の一節)」に、バレエとフィギュアスケートの大きな違いとして、フィギュアスケートでは「ロングトーン」の表現ができるということが挙げられています。アラベスクポジションで静止して滑る動作はまさにロングトーンに感じられます。それ以外のときも「音の伸び」と「滑りの伸び」が共鳴することが表現の要だとすれば、スケートでは陸上でのダンスと比較して、激しいリズムよりも流れるようなフレーズに向いているといえそうです。
フィギュアスケートが元々「フィギュア」…形を氷上に描いていくものであったことからいっても、いろいろなステップでいろいろな弧を描くというのがフィギュアスケートでの表現の基本であり、そして弧を描くつまり滑るときには「それ相応の時間がかかる」。小さく描けば短い時間で、大きく描けば長い時間で、その組み合わせが音楽の流れに沿っているなら見ていてしっくりくるのでしょう。アップテンポの音楽をかけながらスーゥと長めのゆったりステップを踏んでいたらばやっぱりちぐはぐしちゃいますね。
「フィギュアスケートと音楽の調和という側面に最大限注目するならば、それは(略)、「滑りの伸び」と「音の伸び」が一致した時にはじめて生み出されるものなのである。」(町田)
つまり音楽とぴたりと合う振り付けがされていて、そのようにステップを踏むことを体に沁み込ませてあれば、それは時間の流れを音楽に合わせて刻むもので、録音とも合わせられるのかもしれませんね。(やっぱり気が遠くなる努力だけど)
---- 今日の録音:
【多重録音】ブルグミュラー=バトラー/アヴェ・マリア(ピアノ二台版)
録音と合わせるのはたいへんです
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どう動くと、音楽と「合っている」と感じるのか?
たとえばだけどマリンバを弾いている人を動画撮影してそれをそのまま流したとしたら、動作と音が合っているに決まっているけど、そのとき映像と音がずれて再生されていたりすると、それがほんとにちょっとでもものすごい違和感になりますよね。(こういうとき人間の時間分解能ってけっこうすごい)
フィギュアスケートの動作と、流れている音楽の一致というのはマリンバの演奏動画のような「必然」はないわけで、人間が見て「合う」と思えるように創っていくのって大変だと思うんですが。
まずタイミングの問題。アンサンブルのとき、生で合わせるなら、相手の予備動作なり合図なりを目で見てタイミングを計ることもできますが、見えないうえに相手はこちらに合わせてくれない(録音)わけで、えらく大変というのはわかります。全部タイミングを「暗記」しておくしかないというか、たぶんもう気が遠くなるほど反復練習して体に沁み込ませているのでしょうね。
というのも、音を聞いてからそれに合うように体を動かしたのでは絶対に間に合わない(合っているように見えない)からです。前述の、マリンバ演奏の映像と音がずれたときの話でいうと、ちょっとだけ映像が早くて音が遅れているほうはまだしも許容できるところ、逆だとめっちゃ気持ち悪いものです。どうしてなのかなと思うと、リアルで音楽を観賞しているときも、ある程度離れたところで聞いているとすれば、光のほうが音より先に届いているからかなと(つまり、慣れている、自然である)。
原田慶太楼さん(指揮者)との対談で町田樹さんがいっているのが
「舞踏表現の中には、特に物語がなく、音楽そのものを動きで表現するシンフォニック・バレエと呼ばれる手法があって、私もそういうフィギュアスケート作品をいくつか作ってきましたが、指揮者の動きは非常に参考になります。まるで全身から音が鳴っているように感じられるので」
これは、どういう動作がどういう音楽に沿うのかという振り付けの話でもあるのですが、指揮者の動きは常に音楽を先導しているということも含まれているように思います。素人が指揮の真似事をすると、音楽を聞いてそれに合わせて動作してしまうので遅れがちになりますが。
そして、フィギュアスケートを見ていて、動作のタイミングは音楽といちおう合っているようなのだけど、なんとなくイメージ的にちぐはぐ?? と感じるときは何が起こっているかなのですが、なんか曲が激しいのに動作がゆっくりに見える…いや、滑っているのだから実際はたいそうなスピードで移動はしているのでしょうが、スーッと滑らかに進んでいって体の動き自体はゆっくりだと、なんか合わないような気がしてしまうんですよね。
町田さんが書いている「フィギュアスケートと音楽の相性の秘密(「フィギュアスケートと音楽」の中の一節)」に、バレエとフィギュアスケートの大きな違いとして、フィギュアスケートでは「ロングトーン」の表現ができるということが挙げられています。アラベスクポジションで静止して滑る動作はまさにロングトーンに感じられます。それ以外のときも「音の伸び」と「滑りの伸び」が共鳴することが表現の要だとすれば、スケートでは陸上でのダンスと比較して、激しいリズムよりも流れるようなフレーズに向いているといえそうです。
フィギュアスケートが元々「フィギュア」…形を氷上に描いていくものであったことからいっても、いろいろなステップでいろいろな弧を描くというのがフィギュアスケートでの表現の基本であり、そして弧を描くつまり滑るときには「それ相応の時間がかかる」。小さく描けば短い時間で、大きく描けば長い時間で、その組み合わせが音楽の流れに沿っているなら見ていてしっくりくるのでしょう。アップテンポの音楽をかけながらスーゥと長めのゆったりステップを踏んでいたらばやっぱりちぐはぐしちゃいますね。
「フィギュアスケートと音楽の調和という側面に最大限注目するならば、それは(略)、「滑りの伸び」と「音の伸び」が一致した時にはじめて生み出されるものなのである。」(町田)
つまり音楽とぴたりと合う振り付けがされていて、そのようにステップを踏むことを体に沁み込ませてあれば、それは時間の流れを音楽に合わせて刻むもので、録音とも合わせられるのかもしれませんね。(やっぱり気が遠くなる努力だけど)
---- 今日の録音:
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