ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

TVドラマ「生きる」

2007-09-10 18:23:23 | Weblog
松本幸四郎の演じる主人公は無気力な市役所の役人。そして、末期ガンに侵され半年から一年の命と知らされる。

よくあるテーマの物語。最近、ドラマを(海外ドラマは別だが)見ない私が最後まで見て、感動した。

特に、主人公が口ずさむ ♪いのちみじかし 恋せよおとめ あかきくちびる あせぬまに・・・♪の“ゴンドラの唄”。

懐かしい。あっと言う間に私は子供の頃に時間が逆行した。7歳離れた姉がよく歌っていた。小さい私には高校生の制服を着た姉は、眩しく美しく憧れだった。

清楚で歌が大好きで、美しい透明な声でよく歌っていた。姉とは年が離れていたので子供の頃の共通の記憶がない。どんな話しをしたのか、なにをしていたのか覚えていない。年子の妹とはイヤになるくらいの数々の思い出がある。

姉は朝、高校の制服を着て鏡の前で髪をとかしながら、いつも♪いのちみじかし 恋せよおとめ~♪と。

小さくて意味は分からなかったが、私の中にその頃の“女学生”の情景として一幅の絵として刻み込まれている。

以前、姉にその事を話したら全然覚えていない。いつも歌を口ずさんでいた事も覚えていない。そう言えば、母は“愛染かつら”をよく口ずさんでいた。

もし、自分の命があと三ヶ月と言われたら、私ならどうするだろう。何をしたいだろうか。特別、欲しい物も、どうしても食べたい物も無い。家族との思い出作りの為に海外に旅行に行く?分からない。

会社を定年で辞め、趣味が多くやりたい事が一杯あり、勤めていた時よりも忙しくしていた、元上司が7月末に亡くなった。テレビドラマの主人公のように、3月に癌が見つかり余命三ヶ月と言われた。

でも、希望を持って手術をし、6月には自宅に戻る。滞っているホームページを更新し、もっと充実させると、彼のブログに書いてあった。それが彼のブログの最終ページだった。

今でも時々、彼のホームページに行き、日記を見る。まさかだけど、心のどこかで新しい書き込みを期待して…。あの世とつながっていたら面白いなと、想像しながら。

「まだまだ、やりたい事が一杯あるから死ねない。癌に勝つ」と言っていたと、息子さんが言っていた。でも、予定通りに迎えの馬車は来てしまった。

生あるものすべてが100パーセント、例外なくこの世から消滅する。人間だって、終わりが早いか遅いかの違いで。

古今東西、権力者は永遠の命を求めた。でも、それは何処にもなかった。

家族に手を握られ、眠るように天寿を全うする者。戦争での虫けらのような死。平和な毎日での理不尽な死。そして、病の為に忍びよるその日を恐怖で見つめる死。認知症になり、生きているのも認識出来ずに迎える死。・・・数々の様々な死。

そして、ひたすら一生懸命に残り時間を減らす為、毎日をアクセク働く私達。

時には、過ぎし日々と、忙しい今と、いつかのその時に思いを馳せるのもいいのかも。
コメント
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