夕方、新聞を読んでいたら、夫が 「虹が出ているよ」 と教えてくれた。
さっきまでの雨が上がり、西日が出ていた。
東側を見ると確かに虹が出ていた。

マンションの廊下の反対側に小学生が何人か座り込んで遊んでいたので、彼らに 「虹が出ているよ」 と呼びに行った。
彼等は、走って来て 「わー、虹だ虹だ」 「綺麗だ」と大騒ぎ。
「ほら、良く見てごらん。外側に薄くもう一つ虹が見えるよ」 「わー、ホントだ。虹が二重になっている」 と、またまた大騒ぎ。
今、この虹のかかっている山を、崩す為に毎日毎に重機が動いている。
でも、この里山は虹が出やすいのか、雨上がりの夕方に、たまに出る。
ずっと前に、この里山が未来永劫、このままの姿でいるだろうと思っていた時、美しい虹がかかるのを見た。

引っ越しをして来た頃は、崖地は“稲城のグランドキャニオン”と言われて来た。その風景を私は好きだった。
毎年毎年、草や木々がその崖地を這いあがり、いつかは崖地は無くなるだろうと思っていた。その、姿の変化を毎夏、楽しんでいた。
でも、もう、何年後かには、この里山は姿を消し、段々の住宅に変わる。悲しく寂しい。
そして、虹は消え、夕暮れになった。


さっきまでの雨が上がり、西日が出ていた。
東側を見ると確かに虹が出ていた。


マンションの廊下の反対側に小学生が何人か座り込んで遊んでいたので、彼らに 「虹が出ているよ」 と呼びに行った。
彼等は、走って来て 「わー、虹だ虹だ」 「綺麗だ」と大騒ぎ。
「ほら、良く見てごらん。外側に薄くもう一つ虹が見えるよ」 「わー、ホントだ。虹が二重になっている」 と、またまた大騒ぎ。
今、この虹のかかっている山を、崩す為に毎日毎に重機が動いている。
でも、この里山は虹が出やすいのか、雨上がりの夕方に、たまに出る。
ずっと前に、この里山が未来永劫、このままの姿でいるだろうと思っていた時、美しい虹がかかるのを見た。

引っ越しをして来た頃は、崖地は“稲城のグランドキャニオン”と言われて来た。その風景を私は好きだった。
毎年毎年、草や木々がその崖地を這いあがり、いつかは崖地は無くなるだろうと思っていた。その、姿の変化を毎夏、楽しんでいた。
でも、もう、何年後かには、この里山は姿を消し、段々の住宅に変わる。悲しく寂しい。
そして、虹は消え、夕暮れになった。


