夕方、6時過ぎに、夕刊を下に取りに行こうと玄関のドアを開けた。
と、目の前にまん丸のお月様。
今日は、満月なんだ。
満月の時は、いつも、6時過ぎに玄関を開けると目の前に、まん丸のお月様が浮かんでいる。
一目惚れで住み着いたこの地で、月一回の満月の日が楽しみだった。
私は、都心に通勤していて、だいた6時過ぎ頃に駅に着く。
引っ越しして来て、しばらくして会社からの帰りに駅に降りた。
改札口は、階段を上がった高台にある。
引っ越して来た頃は、今のように駅ビルもなく、駅前には何も無かった。
駅前のロータリーの向こうにコンビニとその2階にマックがあるだけ。
そして、高台なので、目の前には、はるか遠くまで都心の風景が広がっていた。
夏の6時過ぎはまだ明るい。その明るさの中に、丸い大きな黄色い月が浮かんでいた。
初めて見た時にはビックリした。何とも不思議な気持ちだった。
冬になれば、真っ暗な空に、それこそ大きな満月が輝いていた。
月に1度の、その満月が楽しみだった。どんな疲れも癒された。
でも、今は、駅ビルが出来、お店が出来、改札を出ても、もうあのサプライズは無い。
ここに引っ越しして来て20年が過ぎた。
世界も日本も、私が惚れた稲城の風景も、そして家族の形態も随分と変わった。
まさか、私が一人暮らしになるとは思ってもみなかった。
でも、まだ2歳になったばかりの、可愛い未来への希望の孫娘がいる。
だから、寂しくはない。


と、目の前にまん丸のお月様。
今日は、満月なんだ。
満月の時は、いつも、6時過ぎに玄関を開けると目の前に、まん丸のお月様が浮かんでいる。
一目惚れで住み着いたこの地で、月一回の満月の日が楽しみだった。
私は、都心に通勤していて、だいた6時過ぎ頃に駅に着く。
引っ越しして来て、しばらくして会社からの帰りに駅に降りた。
改札口は、階段を上がった高台にある。
引っ越して来た頃は、今のように駅ビルもなく、駅前には何も無かった。
駅前のロータリーの向こうにコンビニとその2階にマックがあるだけ。
そして、高台なので、目の前には、はるか遠くまで都心の風景が広がっていた。
夏の6時過ぎはまだ明るい。その明るさの中に、丸い大きな黄色い月が浮かんでいた。
初めて見た時にはビックリした。何とも不思議な気持ちだった。
冬になれば、真っ暗な空に、それこそ大きな満月が輝いていた。
月に1度の、その満月が楽しみだった。どんな疲れも癒された。
でも、今は、駅ビルが出来、お店が出来、改札を出ても、もうあのサプライズは無い。
ここに引っ越しして来て20年が過ぎた。
世界も日本も、私が惚れた稲城の風景も、そして家族の形態も随分と変わった。
まさか、私が一人暮らしになるとは思ってもみなかった。
でも、まだ2歳になったばかりの、可愛い未来への希望の孫娘がいる。
だから、寂しくはない。

