早いもので、あれから20年。
毎年、9月11日になると、思い出す人がいる。
会った事も無く、名前も覚えてはいないけど。
私が勤めていた会社は、従業員が10人ちょっとの小さな会社だった。
それでも、顧客は日銀から日本の金融機関・PCメーカー・金融に関わる省庁・・・。
その日の夜、夫と声も無く燃え上がるビルを、2機目が衝突するシーンを見ていた。
翌日、会社に行って、9月・10月中に来社するお客さんの名簿を全て打ち出して(その当時は個人情報保護法とかは無かった)家に持って帰った。
そして、新聞に載っていた犠牲になった日本人の名前をチェックした。
該当する人が一人いた。
日本の大手の総合研研究所に勤める女性。きっと、将来有望な優秀な人だったのだろう。
翌日会社に行き、社長にそれを告げた。
直ぐに社長と常務は出かけて行った。
胸の中がザワザワして、しばらくは仕事に身が入らないような日々が続いた。
私にも娘がいたので、親の気持ちを考えるととても平常心ではいられなかった。
毎年、9月11日が来ると、一人、心の中で彼女の冥福を祈っていた。
夫が亡くなり、お仏壇が家に据えられてからは、夫や両親・姉と会った事はないが、彼女の冥福も一緒に祈っていた。
もう、20年が過ぎたのか、何と月日の経つのが早いのだろう。
会った事も、名前も覚えてはいないが、毎年、この日には、どんな女性だったのだろう、生きていればどんな人生を送ったのだろう、どんな家庭を作ったのだろう、と想像しながら冥福を祈っている。
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