ふみさんの日々雑感

生活の事、家族の事、大好きなサッカーの事・・・日々いろいろ

母との時間

2007-10-20 22:35:54 | 年老いた母
朝はここはどこで、どうしてここに来ているのか、を教える事から始まる。

母が私の所に来たいと行ったから、夫と二人で姉の所に向かえに行った。車椅子で新幹線、横浜線、京王線と乗り換えて来た事。母の夫が亡くなったから、今は姉の所で生活をしている事。それら諸々の事をユックリと話す。

一日に何回も同じ事を話す事がある。話しながら、映画「博士の愛した数式」を思い出している。博士は80分しか記憶が持たなかった。母は、「どうして、色んなことを忘れてしまうのだろう。一生懸命、考えても分からない。本当にバカになってしまった」と涙ぐむ。

“記憶する”ってどういう事なんだろう、“忘れる、思い出せない”って何なのだろうと不思議に思う。

「明日は帰るのか?」と毎日聞くので、夫が“東京カレンダー”を作ってくれた。ここに来た日から、父の一周忌の為に実家に帰る日までの。終わったら丸印を付けて行く。来月の2日に帰るので、まだまだある。残りの日数を数えて「一杯、ここに居られる」と嬉しそうに微笑む。

今日はお休みなので、沢山、話し相手になった。同じ事を何回も何回も話し合う。不思議と、そんな事がちっともイヤではない。以前は億劫と思ったのに・・・。なんでだろう。

今は母の事が、すべてに愛おしい。どんなに同じ事を何回も聞いても、着替えるのが時間かかっても、食べるのが遅くても、すてべを脇に置いて、ゆったりと付き合う。

「ごめんね、世話をかけて。昔は働き者だったのに、何で動かなくなったのだろう」「いいのよ、何にも気にしなくていいのよ。親が年をとったら子供が面倒を見るのは当たり前なんだから」と答えながら、母の気持ちを思ってとっても辛くて胸が痛くなる。

母は「夜中にトイレに行って来て、布団に横になると、ああまだ一人でトイレに行けるんだと嬉しくなる」と言う。確かにそう。何よりもトイレに行けれるというのは有難い。もちろん、行動が緩慢なので、もしもの為に紙おむつをしてもらっている。

思いがけなく、母としばらく暮らすようになって、毎日の空気や時間が変わった。自分の越し方行く末を無意識に考えている。青い空、白い雲、緑濃い里山、見える範囲のすべてが美しく感ずる。

あ~あ、生きているっていいな。元気で行動出来る今、精一杯、やさしく生きて行こう。
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