文庫サイズで単行本化したものを持っている。
桜井文庫で出版した「古墳大秘記」と「地獄流し」だ。
随分前に手に入れた物で、たぶん中野ブロードウェイの
「タコシェ」あたりで購入したような記憶あり。
桜井文庫で検索すると
1975年4月から貸本出版社の東考社から出された文庫本
シリーズで、その名は桜井昌一氏からとったとの事。
貸本作品を文庫本で出版するという、当時としては斬新な
スタイルは、貸本漫画のファンからは歓迎を受けたそうな。
発売開始当時、まだ貸本作品の多くが復刻されておらず、
この桜井文庫でしか読めないものが多くあるそうな。
そもそも
桜井昌一氏からして、貸本文化の重要人物で。
大阪府出身の漫画家/出版社経営者。
漫画家にて劇画の祖である辰巳ヨシヒロの兄。
水木しげる作品にも多く関わり、ドラマ「ゲゲゲの女房」にも
貸本出版関係者として登場していた。
桜井文庫は50冊以上が発行されたが、大半は水木作品
だったそうです。
「古墳大秘記」はSF風味も入っており、謎の生命体が
宿り先を次々と変え、聡明な青年武士の身体を乗っ取ろうと
する様を描いた作品。
意識を失った瞬間に乗っ取られると悟った青年と生命体の
駆け引きが古墳の麓地方で繰り広げられるというドキドキの
ストーリー。
でも農家の爺さん婆さんや小僧や茅葺き家屋や田畑が広がる、
ノンビリ・ムードも同居した雰囲気が「さすが水木先生」。
青年の身を案じる地元の美少女も登場し、ハンサム青年との
交流で物語を盛り上げる。
上の画像は「地獄流し」の主人公と妻。
「水木漫画の美男美女」、麗しいです。
ちなみに男性は忍者。里を裏切る事になってしまい、妻と
子供ともども奈落の穴に吊り下げられるという「地獄流し」の
目に遭うのだが、気付けば自分だけ現世で目を覚し、それでも
家族に対する強い愛情ゆえに異世界にいる妻子と交流を深める
・・・というお話。
当時の時代物劇画を手本にしたようなペンタッチもあるが、
そこは水木センセイ。
この世と別の世で意思を交わす物語を、後半一気に
描き上げた筆力は圧巻というか、
こちらが呆気に取られてる内にエンディングを迎えてしまう。
そりゃ古い作品だし、点描やタッチに後年程の異常な緻密さは
見られないが、それでも充分な雰囲気を醸しだしておられます。
ちょいと高かったが「買って良かった」の品で御座います。
桜井文庫で出版した「古墳大秘記」と「地獄流し」だ。
随分前に手に入れた物で、たぶん中野ブロードウェイの
「タコシェ」あたりで購入したような記憶あり。
桜井文庫で検索すると
1975年4月から貸本出版社の東考社から出された文庫本
シリーズで、その名は桜井昌一氏からとったとの事。
貸本作品を文庫本で出版するという、当時としては斬新な
スタイルは、貸本漫画のファンからは歓迎を受けたそうな。
発売開始当時、まだ貸本作品の多くが復刻されておらず、
この桜井文庫でしか読めないものが多くあるそうな。
そもそも
桜井昌一氏からして、貸本文化の重要人物で。
大阪府出身の漫画家/出版社経営者。
漫画家にて劇画の祖である辰巳ヨシヒロの兄。
水木しげる作品にも多く関わり、ドラマ「ゲゲゲの女房」にも
貸本出版関係者として登場していた。
桜井文庫は50冊以上が発行されたが、大半は水木作品
だったそうです。
「古墳大秘記」はSF風味も入っており、謎の生命体が
宿り先を次々と変え、聡明な青年武士の身体を乗っ取ろうと
する様を描いた作品。
意識を失った瞬間に乗っ取られると悟った青年と生命体の
駆け引きが古墳の麓地方で繰り広げられるというドキドキの
ストーリー。
でも農家の爺さん婆さんや小僧や茅葺き家屋や田畑が広がる、
ノンビリ・ムードも同居した雰囲気が「さすが水木先生」。
青年の身を案じる地元の美少女も登場し、ハンサム青年との
交流で物語を盛り上げる。
上の画像は「地獄流し」の主人公と妻。
「水木漫画の美男美女」、麗しいです。
ちなみに男性は忍者。里を裏切る事になってしまい、妻と
子供ともども奈落の穴に吊り下げられるという「地獄流し」の
目に遭うのだが、気付けば自分だけ現世で目を覚し、それでも
家族に対する強い愛情ゆえに異世界にいる妻子と交流を深める
・・・というお話。
当時の時代物劇画を手本にしたようなペンタッチもあるが、
そこは水木センセイ。
この世と別の世で意思を交わす物語を、後半一気に
描き上げた筆力は圧巻というか、
こちらが呆気に取られてる内にエンディングを迎えてしまう。
そりゃ古い作品だし、点描やタッチに後年程の異常な緻密さは
見られないが、それでも充分な雰囲気を醸しだしておられます。
ちょいと高かったが「買って良かった」の品で御座います。