第2部
大山甲日氏が登場し『ロキシー・ザ・ムーヴィー』ビデオ、
『フランク・ザッパを聴く/アルバム・ディスク大全』を
解説するという事だったが
「ロキシー」に関しては「主にPCで再生していたから、
大画面・大音響で体験できて、やっぱり凄いと思った」と
感想を述べられた。
著作本に関しても、フランク・ザッパ公式アルバム100作の
徹底解説本を語るという事だったが
フランク・ザッパ亡き後ザッパの音源を守ってきた妻の
ゲール・ザッパが今年10月7日に亡くなった事もあってか
しんみりした雰囲気も漂うトークであった。
そもそも大山氏は「ビートルズ第一世代」だそうで、
レノンとザッパの共演アルバムでザッパに興味を持ったという
直球な方で御座いました。
※私みたいなヤツは、洋楽に興味持った時点でビートルズは
既に神格化されてたから変な反発心を持っちゃったんですよねぇ・・・。
しかし大山氏、魅せられてからは凄かったと。
海外のザッパ本で学び、八木康夫氏が「私以外のザッパ愛好家の
文もライナーに載せたい」と公言すると早速応募されたそうで
「他にもっと詳しい人がいるのに載ってしまった」と控え目に
語っておいででした。
大山氏の他に同書籍のデザインに関わったという人もゲストで
登場し、両者でザッパ・ファミリーに関する話が始まった。
本の中身に関しては
基本は2001年から発売された紙ジャケについていた解説を
まとめた物で。
没後発売された作品集など、後半部分が書き下ろしなのだそうな。
ザッパに関しては「会いに行った話」が印象深く。
ザッパ氏の癌が公表された後、欧州でザッパ曲の演奏会があると
いうので子供連れで会いに行ったが、ザッパの体調によって叶わぬ
日々が続き、とうとう会えるとなった日には、ザッパの家族と
大山氏の家族で対面。
ザッパさんは大山氏のお子さんの頭をナデナデしてくれたそうな。
「子供が好きな、優しい人だった」というのが、大山氏から見た
ザッパ氏の印象。
ただ、病の影響も深刻でオーラが失われていたそうな。
この時ゲールさんとも会った関係で、ゲールさんの死にも増々
感傷的になってしまった・・・と。
※そのせいか『フランク・ザッパを聴く/アルバム・ディスク大全』の
表紙はフランクとゲールのザッパ夫妻フォトを使用。
セカンドアルバムで既に嫁をジャケでお披露目していたザッパさん。
その写真と同じ時に撮られたモノが今回の表紙にしたんだとか・・・。
ザッパさん関連で良く出てくる「パンプキン」という固有名詞も
実はゲールさんの愛称だったんだそうな。
作品100作目が出て、秘蔵映像も出て、アルバム・ディスク本が出て
・・・といったタイミングなんて、「なんか総て片付いたと安心した
かのようで・・・」と複雑そうな表情。
ただ、ザッパさんの音源は不滅だし、それを解説する書籍にも特別な
力が宿るのだろう。
洋楽本の中で『フランク・ザッパを聴く/アルバム・ディスク大全』は
堂々の一位獲得となったそうな。
すでにアルバムのライナーノーツで色々と発表している大山氏だが
これからもザッパ論を展開し続けて欲しいものです。