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「この世界の片隅に」大ヒット御礼!舞台挨拶を見に行った(3)

2016年12月12日 | アニメ・特撮
立川シネマシティ舞台挨拶MCは、純日本人に見えるのに英語のミドル
ネーム入りの女性。

ちなみに、のんちゃんは黄色地に青の花柄のワンピース。片渕監督は
グレーのスーツで登場。横にはすずさん等身大パネルも運ばれてきた。

やっぱ生のんちゃんは可愛い。つか、美人さんになってる。
スラリとした長い手足、首。スタイル良すぎ。

のんちゃんに劣らず監督の笑顔もキラキラしてましたよ。
鑑賞後、感動さめやらない我々の表情を嬉しそうに見つめているよう
にも感じられた。
※それが次の創作への力になってくれれば本望だ。
 「集まり過ぎてしまった」というクラウドファンディング第二弾も
 有効に使ってくれればイイんです!
 要するに「あの片渕監督の」と言えばスポンサーが集まり、次回作
 以降の製作がスムーズになれば言う事ないのだ!



片渕監督、のんちゃんと質問形式のやりとり。
まずは挨拶。

ちょっと力なく訥々と喋る「のん」ちゃんの声。
ああ、本物だぁぁぁぁぁぁ。

続いて受賞関連の情報。
第38回ヨコハマ映画祭にて、映画『この世界の片隅に』が作品賞と
審査員特別賞を受賞し、2016年日本映画ベストテンでは、豊作揃いの
作品の中で堂々第1位に選ばれたとの事!

監督は、特に「スポンサーをつけず映画が大好きな人によって成り立って
いる」ヨコハマ映画祭でのアニメ作品初の受賞を喜んでいらっしゃる様子。
さらに、のんちゃんの審査員特別賞受賞も、アニメ映画には主演女優賞が
ないためで、実質は主演女優賞と受け取ってらっしゃるようだ。

これに関して「のん」ちゃんは、驚きと喜びを丁寧に語ってまして。
作品賞に対しては「作品に関わった全ての方々と一緒に取れたもの」で、
「監督の…熱というか執念?…の賜物だなぁと」とコメントし客席を
笑わせてくれました。

審査員特別賞に関しても、「キャストの方々みなさんと頂いた賞なのかなと」
「私はその代表として…」と素直に語ってくれました。

「謙虚か!」とも思いましたが、周囲のプロフェッショナルな仕事に接し、
それは素直な心情だろうな…と感じました。


※画像は
 売店で購入したパンフレットで御座います。

のんちゃんは今年の8月からアフレコに参加したという事で、「監督の6年
には比べものにならないのですが、ほんとにすごい作品に参加させて頂けて、
これから役者をやっていく上で無いんじゃないかっていうくらいの経験を
させて貰いました」などという言葉も飛び出した。
※「役者」とハッキリ言ってくれましたよ!!

客足に関して、監督は週を追うごとに伸びる稀有なパターンと驚きを語り、
公開からしばらくして「客層が変わりました。親子連れが増えてます」と
劇場から教えられ、「親子連れ?どのくらいのお子さんが?」「お子さんが
だいたい40代…」と語って場内大笑い。

※私は心の中で「オケ老人か!?」と突っ込んでました…

アフレコの苦労話としては、声入れで声優さんの息遣いを録るため指向性の
強いガンマイクを使った話など、非常に興味深かった。

こだわった録音は爆発音などではなく、人の自然で生々しい息吹だったと。



当初のんちゃんが動きながら芝居を…と思っていたのに「左右に動かないで
下さ~い」って言われ、戸惑ってしまったと。
「なら、ジャンプは?」と言っても「それもダメです」。

指向性ガンマイクを上方に設置し声優さんに口元に向けたという事で、台本を
見ようと下を向くと、声が台本に反射して、その音がマイクに入ると音が全然
変わるらしい。それぐらい神経を使って録った…と。

劇伴では、すずさんが料理してる場面では菜箸を使って演奏したそうな。
※「冨田勲先生か!TOMITA並みに音へのコワダリありってか!」

尚これに関して、のんちゃんは初耳の様子。



そして、すずさんへの役作り。
ただ自然に演じたように感じられるが、監督にLINEで何度も質問を送って
いたのだとか。

アフレコが4日間あったが、連続ではなく間隔が空いているので、原作と
映画とでセリフが違う理由などを箇条書きにして監督に送った…と。

「食事も摂らずに集中してお仕事されてるという話だったのに、ご迷惑を
おかけしてしまってスミマセン」と、のんちゃん恐縮。

ただし、監督は仕事終わりの夜、朝起きて布団の中で着信を読み、その場で
返したそうだ。

でも絵コンテなどは4年くらい前に終わっているので回答するなかで自分の
考えを整理することが出来た…と優しい回答する監督。

それを聞いてのんさん、「よかった~」と、ひと安心。
※真剣に役を考える役者さんをムゲにする監督なんていませんよね。

立川の極上音響上映について。
監督は、立川の音は録音した通りの音が出ていて素晴らしいのこと。



今後について。
監督は「おかげさまでかなりの館数で上映が続きそうだけど、それでも
いつか公開は終わります。やはり終わる前に、大きなスクリーン、良い
音で見てほしい。家でDVDを観たのでは聞こえない音があるので…」と
思いのたけを語った。

さらにロケ地について。
「すずさんを本当にいる人にしたくて、映画の中の街も人も本当のものを
描いた。迷子になったすずさんがもたれる建物は今もあって実際に触れる
ことができる。呉や広島に行くと実際に触れる事が出来る建築物が何か所
かあるから、映画が終わっても皆さんの中で広がっていくでしょう」と
語る片渕監督。

何度か広島入りしている『のん』ちゃんも「あぁ、あの変わった階段の!
あれがそうなんですか…」と、驚いた様子。



片渕監督からはファンや支持者への感謝の言葉あり、リピートと拡散の
継続を願うようなコメントも。

言うまでも無く、今回劇場に足を運んだ鑑賞者は、作品の素晴らしさを語って
行くでしょう。

残り時間も無くなり、司会の女性に促されて記念撮影。
以前は「皆さんも監督の画像を撮って拡散を」という事があったが、今回は
指定メディアのみ。

「なんでぇ~」と少し落胆した私は椅子に深く座り込んだため、後に公式で
公開された会場フォトには殆ど写れてないのでした。
※「斜めに撮ってるように見えるけど客席全面が写ってますよ~」とか説明して
 くれれば良かったのに…。



満場の拍手の中、お二人は退場。
なんか、浄化されましたよ。片渕監督、のんちゃん、有り難うございました。

外は暗くなってたが、心はだいぶ晴れていた。

立川から中央特快で再び新宿方面へ。
帰りはウォークマンを使わなかった。さっきまでの「おと」を他のもので上書き
されたくない気分。

まるでコンサート帰りのような感覚。
それも音に拘った「この世界の片隅に」ならでは...なんだろうな。