都市徘徊blog

徒然まちあるき日記

久能山東照宮石段

2009-02-03 | 静岡県  
久能山東照宮 表参道石段
所在地:静岡市駿河区根古屋
型 :つづら折り
段数:1,159段
Photo 2008.12.28

 私の故郷、静岡市の中心部は平坦な街だ。現在の静岡市葵区や駿河区の中心部は安倍川下流域に広がるため、まちなかには階段はほとんどない。急な坂道もまちなかには全くない。街が平らなので静岡の人々は昔から自転車をよく使う。また、人々は街中の階段を歩いて上り下りするという体験がほとんどない。

 そのような静岡人にとって、市内での階段体験は寺社の階段にほぼ限られる。静岡の人に市内の階段を挙げて下さいと問うたら、間違いなく挙げられるのが、浅間神社の百段階段と、久能山東照宮の「いちいち御苦労」である。浅間神社についてはまたそのうちに取り上げることにして、今回は久能山の石段。

 久能山東照宮にある参道階段は、海岸沿いから山上に向かって、200m近くの高低差を登るつづら折りの長い階段。1,159段あると言われ、その段数から「いちいちごくろう」と呼ばれている。これは、山上から日本平へ至る日本平ロープウェイのガイドさんのネタでもある。

 久能山は日本平と同様に隆起してできた山だが、海蝕により東南側が削られ、西側の谷と挟まれるかたちで周囲が絶壁になっている。このため戦国時代には武田氏が久能山城を築いた。また徳川家康の領地となった後もこの場所は重要視されていたそうで、家康は1616年の死後、遺言により当初はここに埋葬された。久能山東照宮の社殿は翌年(1617)に造営されたという。

 江戸期には参勤交代の大名も立ち寄ったと言われる。東海道から分かれ、久能街道で海沿いを歩き海側から山に登るのが山上の東照宮に至るメインルートである。つづら折りになった階段を、往時の人々も上ったのだろう。

 ただ今回はちょっとずるをして日本平山頂まで車で行き、ロープウェイで久能山の山頂に行ってしまった。楽をして1,159段の一番上に辿り着いてしまったわけで、上からちょいちょいっと写真を撮ってまたロープウェイで戻ってしまった。暖かくなったら、もう一度下から歩こうと思う。

 右上に広がる海はもちろん駿河湾。海の向こうに霞んで見えているのは伊豆半島の山々。東南向きの斜面は冬でも暖かく、眼下に石垣イチゴのビニールハウスが並ぶ。冬のさなかだが、日射しがあるので静岡の風景は暖かく穏やかだ。

静岡の街並み
#階段・坂 静岡県  #眺望
コメント (3)
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