1990年以前の青山アパート Photo 1989.2.13
3号館(左端一部)、4号館(中央)、5号館(奥)
同潤会青山アパートメント(当初は渋谷アパートメント)
所在地:渋谷区神宮前4-12
建設年:1926〜27(大正15〜昭和2)
構造・階数:RC・3F
解体年:2003(平成15)
90年代以前はアパート内の部屋を利用したショップなどはまだ少なく、通りも現在に比べると比較的静かだった気がする。
4号館、90年代の様子 Photo 1996.4.27
春先は新緑が美しく、ここだけヨーロッパのような雰囲気を味わうことができ、建物を見ながら歩くのが楽しかった。
東側から、3号館。奥は2号館、1号館 Photo 1996.4.27
全面にツタが絡まり古めかしい味わいが出ている。この棟に関しては再開発後に復元された。その建物にもツタを絡ませる計画があるとも言われる。ただし内部はギャラリー等に使用されており、外観イメージの再現にとどまる。
建物裏側の様子 Photo 1996.4.27
表側は賑やかだが、裏側に入るとひっそりとしている。
建物内の階段の様子 Photo 1996.4.27
お店などが入居して、ガラス扉にダウンライトが使われたりすると、古い建物なのだが良い感じに見える。階段の手すりもペンキ塗りなのだが、ちょっとおしゃれに見えたりするから不思議。住人が思い思いに建物を大切に利用していたため、内部は比較的美しく保たれていた。耐震性、構造上の問題、設備の老朽化がなければ、まだまだ使えるんじゃないかと思わせるものがあった。
再開発が始まる直前の様子 Photo 2001.12.8
手前から1、2、3号館
通り沿いの棟の中には多くのショップが入居し、窓まわりが様々に改築されている状況だった。開閉できない嵌め殺し窓として、ショーウィンドウ化しているものもある。
森ビルが再開発をすることになり、安藤忠雄設計により表参道ヒルズが建設された。旧来の街並みを尊重し、軒高を抑え、大半の容積を地下に埋めた設計になっている。また表参道が坂であることを利用して、地下部分にスムースにアプローチできるように工夫されている。
ただ、全体でひとまとまりの建物になっているので、坂沿いに壁面が長く連なっており、6棟が断続的に並び、それぞれの店が思い思いに少しずつ異なるファサードに改築していた往時の景観に比べると、統一感はあるもののやや単調な景色になっている。
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Tokyo Lost Architecture
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