木崎商店
所在地:川越市 久保町5
構造・階数:木・3
建設年:1921(大正10)
解体年:2021〜22(令和3〜4)
Photo 2004.12.3
成田山川越別院の北側の道沿いに建っていた店舗。看板には「御料理、仕出し、鮮魚、乾物」とあり、仕出し料理屋、鮮魚乾物卸をしていた店だったようだ。
手前側、道路沿いは平入りの在来建築の商店だったが、急傾斜屋根を持つ屋根裏3階建てが後方に建っており、それがあまり見たことがない形だったので印象に残るものだった。
Photo 2006.11.3
下記『小江戸ものがたり−第四号 川越の洋風建築特集』によれば、先々代が鮭の仕入れで樺太へ行き、現地の建物にあこがれて造ったという。独特な形になっていたのはロシア系?の建物を真似たためだったというのが面白い。
また入口部分は明治の大火の際の廃材を利用したものだったという。川越に残る古い建物の中で、立派ではないけれど記憶に残るものの一つだった。
営業時間の関係か、午後に通り掛かっても開いていることはなかったが、2017年までは看板が掲げられていた。Google ストリートビューで見ると、2018年9月の画像では看板がなくなっており、どうやらその頃に仕舞屋になったらしい。その後、2021年秋まではストリートビューで建物を確認できたが、昨年秋に訪ねたところ、既に解体され更地になっていた。
老朽化や世代交代、その他さまざまな理由で解体せざるを得なくなるのは承知している。ただ、川越には蔵造りの商家だけではなく、こういうちょっと変わった店舗建築もあっただけに、そういうものがなくなるのはやはり惜しい。
参考資料『小江戸ものがたり−第四号 川越の洋風建築特集』編集・発行 川越むかし工房、2003.4
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