ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

老子って・・・

2008年06月09日 | 中国文化・歴史
 老子って「弱者」の立場から説いているのですって!
 それじゃ読まなきゃ。

『曲則全』・・・曲なれば即ち全し。屈しているから大きく伸びることができる、の意。
『敢えて天下の先たらず』・・・正しくは「一にいわく、慈。二にいわく、倹。
 三にいわく、敢えて天下の先たらず」これも素敵な教えだ、人を慈しんで控えめにし、人の先頭にたったりして目立ったことをしない、無理のない余裕のある生き方。

ニュースでも、社会が悪い・教育が悪い、・家庭が悪い、と何かと他者のせいにすることが目立ちます。
また、将来は無限の可能性があるなどと、無責任な「応援」も多いですね。

『足るを知れば辱められず、とどまるを知ればあやうからず』・・・よくある「私が、私が」を諌めているのでしょうか。


若い時にこそ、このような「古典」を学ぶべき、と思います。
秋葉原での通り魔事件、あまりにも悲惨で憤りを感じますが、こんな時、「おえらいかたがた」は[このように挫折させていく社会に問題がある。政治が悪い〕なんて<分析>して下さるけれど、被害者はたまったものじゃない。

今、プロレタリア文学の「蟹工船」(小林多喜二著)がベストセラーであるとききます。
若い人たちが厳しい仕事に耐えながら生活苦に悩み、ワーキングプアの苦しみと重なるものがある、といわれています。

日本が少しづつ変わっていく・・・金銭に置き換え、人の苦しみを同情どころか「もっと働け!もっと自立せよ。財源がないんだ!」とギスギスした世の中になっていきそう。

「老子」は弱者の味方か・・・そしてなぜか「シモン・ボッカネグラ」の旋律が浮かんできます。
アドルノとフィエスコの祈りの二重唱、そしてシモンとフィエスコの気高くも傷ついた心を癒す二重唱・・・。音楽と古典、これぞ貴重な心の糧なのでしょう。 
コメント
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