ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

男の嫉妬!

2008年06月16日 | 中国文化・歴史
 『史記』に出てくる范蠡(ハンレイ)という賢人が乱世での生き方を身をもって示したのが「明哲保身」であったと本で読みました。また彼は戦乱のどさくさにまぎれて、絶世の美女西施を妻にした、といううわさが・・・

NHKテレビで「嫉妬」のシリーズ、しかも男の嫉妬ですが、権力・野望から恐ろしい争いになる史実(これは映像よりテキストのほうが良かったですが)劉邦と韓信、東條英機と石原莞爾など、そうそうたる顔ぶれでした。
そして最後はいかにしてそのいわれなき嫉妬をかわすか、など実例をあげて説明していました。わあ、嫉妬をかわすためにそんなに気をつかわなければいけないの?とそのほうが大変、と面倒に感じたりもしました。でもそれで命拾いができるのなら!

でも、『史記』のヒーロー、っていうより、渋い脇役ですが苑蠡はそれを予期しうまくかわした賢人、彼は残念ながらそのテレビ番組には登場しませんでしたが。
彼の示した生き方、「明哲保身」というのは、鋭く深い洞察力(明哲)で乱世を生き抜く(保身)という意味で、さすが素晴らしい言葉、保身といえば姑息なように思っていましたが、もとはこんな意味だったのか、とひとつ賢くなりました。

また、『史記』の時代に生きた筍子の「青はこれを藍よりとりて、しかも藍より青し」という美しい文があり、色彩まで鮮やかに私の心に響いてきました。

でもそこにも「嫉妬」はあるようです。師匠より才能に恵まれた弟子を嫉妬し、したり顔で陥れる、ということが・・・。
「師匠」というのは大変大きな存在で、「師」だけでなく「匠」という字もつくのですから。優れた才能を目にして実際にくすぶる気持ちもあるでしょうけれど、弟子にさらに良い方向へと指し示す高潔さが、才能や技術という面を大きく乗り越え、弟子が仰ぎ見るようになると思うのです。

実際に「師匠」の名に値しない小人がどれほど有為な才能を貶めてきたことでしょう。
私に文才でもあれば、このテーマで小説を書きたいですが、残念ながら才能のある作家の本でも探すことにしましょう。
コメント
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