★ ワーグナー初期のオペラ『リエンツイ、最後のローマ護民官』・・・1941年、偉大なヘルデン(英雄)テノーレ、マックス・ローレンツが歌う歴史的名演。
Rienzi; Max Lorenz: Rienzi! Rienzi! ...Erstehe, hohe Roma, neu! (ドイツ語歌詞・・・ワーグナー自身の脚本です)
この場面は民衆に歓呼され、迎えられた護民官リエンツイが「ローマは自由です」と宣言、やがて同じ民衆がローマ皇帝やその他の捏造や詭弁でリエンツイを失脚させることになるとは・・・。
それはもちろん小心者のローマ皇帝や勢力が絡んでいる。いつの時代もつまらぬ嫉妬で小心者が騒ぎを起こし、国を滅ぼし国士を貶め失脚させる。それに深く考えず同調してしまう民衆の悲劇。
坪内逍遥は「開巻悲憤慨世士伝」として翻訳。
民主主義とは?民衆はどこに行くのか。
最近読んだ長谷川三千子(著書『民主主義とは何なのか』文春新書)によると、「現代の人々が『民主主義』という言葉に『いかがわしさ』を感じ取る能力そのものを失ってしまったということにあるのではないか、という気がしてくるのである。」