ベッラのブログ   soprano lirico spinto Bella Cantabile  ♪ ♫

時事問題を中心にブログを書く日々です。
イタリアオペラのソプラノで趣味は読書(歴女のハシクレ)です。日本が大好き。

現代の「合従連衡」考

2015年12月04日 | 政治

★ 世界は東西ともに「合従・連衡(がっしょうれんこう)」か? たとえばチャイナと東アジア、そしてこれは少し変形になるが米露欧州、そしてトルコ、国家ではないがISをめぐって。

自称「歴女」(と思う)私は、なるほどと納得。

最初に石平氏の文をご覧ください。



中国では紀元前8世紀から同3世紀まで戦国という時代があった。秦国をはじめとする「戦国七雄」の7カ国が国の存亡をかけて戦った時代だったが、7カ国の中で一番問題となったのが軍事強国で侵略国家の秦であった。

いかにして秦国の拡張戦略を食い止めるかは当然他の6カ国の共通した関心事であったが、その際、対策として採用されたのが、6カ国が連合して「秦国包囲網」を作るという「合従策」である。

6カ国が一致団結して「合従」を固めておけば、秦国の勢いが大きくそがれることになるが、一方の秦国が6カ国の「合従」を破るために進めたのが「連衡策」である。6カ国の一部の国々と個別的に良い関係をつくることによって「合従連衡」を離反させ、各個撃破する戦略だ。

この策で秦国は敵対する国々を次から次へと滅ぼしていったが、最終的には当然、秦国との「連衡」に応じたはずの「友好国」をも容赦なく滅ぼしてしまった。秦国の連衡策は完全な勝利を収めたわけである。

それから2千数百年がたった今、アジア太平洋地域もまさに「戦国時代」さながらの様相を呈している。中国の拡張戦略を封じ込めるために米国や日本を中心にした現代版の「合従連衡」が出来上がりつつある一方、それに対し、中国の方はかつての秦国の「連衡策」に学ぶべく、「対中国合従連衡」の諸参加国を個別的に取り込もうとする戦略に打って出たのである。

その際、日本もベトナムもフィリピンも、目先の「経済利益」に惑わされて中国の策に簡単に乗ってしまってはダメだ。あるいは、中国と良い関係さえ作っておけば自分たちの国だけが安泰であるとの幻想を抱いてもいけない。

秦国によって滅ぼされた戦国6カ国の悲惨な運命は、まさにアジア諸国にとっての「前車の轍(てつ)」となるのではないか。(石平氏)



★ 「合従連衡」とは? 古代の「秦」を現代の中華人民共和国としてあてはめてお読みください。

WIKIによると・・・

>・・・春秋戦国時代、戦国七雄のうち強大になりつつあった秦と、周辺六ヶ国(韓、魏、趙、燕、楚、斉)の外交政策として、縦横家によって考えられた。

当初、六国は相互に結び、協力して秦の圧力を防ごうとした(合従)。秦は個別に同盟関係をもちかけて連合を分断し(連衡)、合従策を封じ、最終的に各国はすべて秦によって亡ぼされ、秦による天下統一が実現することとなった。


合従
戦国七雄のうち、巨大な秦以外の六国が縦(たて、従)に同盟し、共同戦線で秦に対抗しようというのが合従説である。

その最大規模のものが縦横家の蘇秦によるもので、史記によると彼は鬼谷先生に師事した後に母国に帰ったときすっかり貧乏であったため、兄の嫁や妻からさえ馬鹿にされた。このため、一念発起してこれに取り組んだという。彼はまず燕の文候に各国をとりまとめて秦に対することを説き、承諾を得ると趙、韓、魏、斉、楚と各国を言葉巧みに説き伏せ、六国の合従を成立させたとされる[2]。このとき蘇秦は同盟の総長[3]となり、六国の宰相をも兼ねた。蘇秦の後は蘇代などによって継承された。

秦以外の二ヶ国のみの場合も合従と呼び、屈原は、楚の国内で斉との合従を唱える合従派であったことが知られている(彼は反秦派として『史記』に記述されている)。食客毛遂が、趙の平原君の使者として、楚に赴き、楚の頃襄王と合従した様子については平原君列伝に記載されている。

連衡
秦に対抗して合従する国に対し、秦と結んで隣国を攻める利を説いて、合従から離脱させたのが連衡である。連衡の論者は往々にして秦の息のかかったものであり、六国の間を対立させ、特定国と結んで他国を攻撃し、あるいは結んだ国から同盟の代償に土地や城を供出させることを目指した。その代表的な論客は張儀である。

後に范雎は遠交近攻を唱え、遠方の国と手を組み、近隣の国を攻撃する事で、秦の領土を拡張した。(以上、WIKIより)

★ わあ、「屈原」も出てくるし、「蘇秦」や「鬼谷先生」も「張儀」「平原君」も。そして「范雎」も・・・。
私は陳舜臣氏の著作を読んでいたり、中央電視台のビデオで春秋・戦国時代を描いた「東周列国」も全巻購入して見ていた。
このあたりになるとドキドキする・・・。
(老親介護で外に出られない10年間、「史記」や「三国志」「隋唐演義」その他、はまっていた。不思議なことに「保守」となるきっかけにもなった。このことは説明しても誤解されるかも知れないが)




★ 米露欧州、トルコ、そしてアラブの国々など宗教もからみ(十字軍)歴史も長い。
それらの歴史と日本はほとんど関係がなかった。
しかし、テロ集団ISについては世界が危惧・非難しているし、日本人も惨殺された。

私はよくわからないが、ロシアに詳しい北野幸伯氏は次のような見解をメールマガジンに寄せている。


北野幸伯氏のメールマガジンより

>・・・「密輸問題」を完全にスルーする欧米指導者たち

冷静に考えればわかりますが、ISが強いのは、「金があるから」です。

ISを打倒しようとすれば、「資金源」を断つのが一番いい。

で、「一番の資金源は、石油だ」と、テレビでもいい、新聞、雑誌、「イスラム国」本にも書いてあります。

それなら、「ISは、どこに石油を売って利益を得ているのだろうか?」

これは、ISをつぶしたい欧米指導者たち、「最大の関心事」であるべきなのです。

ところが、欧米の指導者たちは、プーチンの指摘を「完全に無視」しています。

その理由ですが、私は、「知っていて黙認しているのでは?」と考えています。

もう一度、こちらの記事を。


欧米情報当局「イスラム国がトルコに石油密売」 読売新聞 11月28日(土)10時22分配信

【パリ=石黒穣】イスラム過激派組織「イスラム国」から大量の石油がトルコに密輸されているとの見方は、欧米情報当局の間でも強い。

米軍特殊部隊は今年5月、シリア東部で「イスラム国」の石油事業責任者を殺害した。

英有力紙ガーディアンは、同部隊がその際押収した文書から、「トルコ当局者と『イスラム国』上層部の直接取引が明確になった」と伝えた。


欧米情報当局が知っていて、欧米のトップが知らないなどありえないでしょう?
(以上、北野幸伯氏のメールマガジンより)



★ ところで「大阪のダブル選挙」について(私見です)

結果は自民や共産などの「連合」がぼろ負けだった。
「合従」を試みたが、候補者に魅力なく、また共産党が「国民政府」などと気味悪い呼びかけをしたのも、人々を引かせた。

では反橋下となった「応援団」の藤井京大大学院教授や自民党国会議員の西田昌司氏はどう思っていたのか。
それは多分、公共事業推進を思っていたと思う。
「無駄をなくす」という橋下勢力が入ってきたら、せっかくここまで頑張ってきた公共事業が削減されるからである。
災害などに必要な工事などであろう。

その自民党だが、安倍氏は大阪自民党の候補を応援しながら、実は橋下勢力と組もうとしているという噂。
これは自民党内部が「売国・反日」勢力で危ないから、と思うが、このような二重三重のごまかしでやっていけるのだろうか。
一般人はよくわからなかったし、下手をすると政治不信にもつながる。

★ なぜ「次世代の党」をとことんまで壊滅させたのか?

「次世代の党」といっても、私はすべてのここの所属の政治家を支持しているのではない。
真に国を想う政治家を支持している。
それはパフォーマンスなど無縁の政治家である。

「春秋戦国」の歴史で言うと、屈原のような透明さと賢明さを持ち、また「秦」に乗り込んで行った刺客のような犠牲的精神を秘め、日本の国を「されるがままにズタボロにさせてはならぬ」という危機感を持った政治家である。
それを利用しようとした幼稚なプロパガンダ放送局のことはあえて言うまい。

★ そして音楽。気分転換にどうぞ。ドミンゴが歌うタンゴCELOS(嫉妬)です。
権力者の嫉妬???・・・項羽を破り漢王朝を成立させた皇帝劉邦は、それまで戦功のあった英雄を粛清してきましたね。ローマ帝国もそうでした。スペインの「ル・シッド」はそれを乗り越えましたが。


「セロス」嫉妬の意・・・歌はスペイン語

Jealousy Tango - Placido Domingo CELOS
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チャイナがフランス人記者の「ウイグル政策批判」で非難

2015年12月04日 | 政治

中国、仏誌女性記者を個人攻撃 ウイグル政策批判で 中国外国人記者クラブが非難声明
 

北京の中国外国人記者クラブ(FCCC)は29日、中国の対ウイグル族政策に批判的記事を書いたフランスの週刊誌の女性記者が中国政府と政府系メディアから個人攻撃を受けていると非難する声明を発表した。

 この女性はウルスラ・ゴーティエ記者。ウイグル族と中国当局の衝突は、中国政府の少数民族に対する抑圧的政策が原因であり、パリ同時多発テロなどとは性質が違うと指摘した。

 これに対して中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報などは「現実をねじ曲げている」と同記者を実名で非難。外務省も記者を呼び出して批判した。中国紙サイトや記者のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に批判の書き込みが殺到。「殺す」などの脅迫も含まれている。

 FCCCは「批判は道理を超えている」と指摘。記者に年末のビザ更新に必要な記者証が発給されていないことにも言及、記者証発給の遅れは「脅し」と見なすとした。(共同)

★ もうたまらない気持ちですね・・・
バッハをどうぞ。チェロを演奏しているのはミッシャ・マイスキー。


Mischa Maisky plays Bach Cello Suite No.1 in G (full)



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする