<中朝首脳会談>北朝鮮側「制裁緩和」も意図
3/28(水) 11:56配信
【ソウル米村耕一】朝鮮中央通信によると、訪中した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は中国の習近平国家主席と26日に首脳会談を行った後の夕食会で、「朝中親善の歴史的伝統を変わりなく守り、両国関係を代を継いで立派に継承発展したいとの一念で電撃訪問した」と発言し、中朝関係を伝統的な友好関係に修復させる意図があることを説明した。
中朝関係は昨年、北朝鮮が相次いで核やミサイル実験を行い、中国が国際社会と歩調を合わせて対北朝鮮制裁を強める中で冷却化。金委員長は9月に中長距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を視察しながら、「いまだに国連の制裁に頼ってわれわれを屈服させられると思う大国を自称する国」との表現で中国の対応を強く批判していた。
さらに昨年末になって「国家核戦力の完成」を宣言した北朝鮮は、今年に入って韓国、米国との対話の姿勢も明示。4、5月にかけ南北や米朝の首脳会談を実施する方向にこぎ着けた。こうした動きには、北朝鮮が韓国や米国との関係改善をアピールして中国に一定の疎外感を与え、中朝関係改善へのきっかけを作る狙いもあった可能性がある。
核・ミサイル開発による国際的制裁で圧力を受ける北朝鮮には、中朝首脳会談を通じた中国側との関係改善で支援を引き出す狙いもあるとみられる。中国国営新華社通信によると、金委員長は首脳会談で、段階的な非核化過程の中で、中国との戦略的な交流を強化し、中国と共に対話によって朝鮮半島の平和と安定を守ることへの期待感を表明したという。こうした過程の中での中国による制裁緩和や解除についても、今回話し合った可能性がある。
朝鮮中央通信によると金委員長は訪問を終えるにあたり、習近平国家主席への謝意を示したうえで、中朝首脳会談で「相互の関心事である問題について見解が一致したことについて満足している」とのメッセージを送った。(以上 毎日新聞)https://news.yahoo.co.jp/pickup/6276971
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北京で評論家の遠藤誉氏は下記のように書いている。
金正恩、電撃訪中の背景
4月に入れば南北首脳会談が、5月になれば米朝首脳会談が予定されている。米朝会談はティラーソン国務長官の更迭により手続き上少し延期されるかもしれないが、何れにせよ開かれるのは確実だろう。
しかしトランプ大統領は、対話路線のティラーソンを解任して、後任に「金正恩を除去することを優先せよ」と主張するポンペオ氏を当てている。またマクマスター米大統領補佐官(安全保障担当)を解任して戦争大好きの強硬派ボルドン氏を起用している。
これは即ち、米朝会談が決裂した場合は北朝鮮を先制攻撃するというシグナルをトランプが発していることになる。金正恩がこの人事を看過するわけがない。
となれば頼りになるのは、何と言っても世界で唯一の軍事同盟国である中国だ。
中国とよりを戻すことにより、中国とロシアをしっかり味方に付けておいてから米朝首脳会談に臨む。
もちろん南北首脳会談にしても、韓国は米韓軍事同盟を結んでいる。韓国を震え上がらせるには、何と言っても韓国が経済的に最も頼りにしている中国と緊密であることを韓国に見せつけるのがいい。
こうして韓国およびアメリカと首脳会談するときに、交渉を北朝鮮に有利に運ぶために、この段階では何としても中朝首脳会談を行い、中朝の蜜月を米韓に見せつけておくことが不可欠なのだ。
蚊帳の外に置かれる日本
ロシアのプーチン大統領は、早くから金正恩の味方であることを公言して憚らない頼もしい味方である。
昨年の7月5日には、「双暫停」に関して中露共同声明を出しているほどだ。
となれば、中露、日米韓そして北朝鮮という六者会談の中で、北朝鮮が接近する国として唯一外されているのは日本だけということになる。
3月23日のコラム「日本外しを始めた北朝鮮――日朝首脳会談模索は最悪のタイミング」(クリックで読めます)で書いたように、もし日本が拉致問題を重視して小泉元総理のように北朝鮮への電撃訪問を断行していれば、この流れは日本が主導することになり、安倍総理は今ごろノーベル平和賞を受賞する候補に挙げられていたことだろう。しかし安倍内閣には筆者の声は届かなかったようだ。ひたすら圧力を叫び続けてきた。今この段階に至ってから、急遽、日朝対話のオファーをするなど、あまりに外交戦略としては悪すぎるシナリオだ。(ベッラ注…ここは遠藤氏と意見は違いますが、難しいですね・・・)
ロシアは元スパイ暗殺疑惑によりイギリスと断交状態にあり、EUとも思わしくない関係になっている。こんな時に、これまで北朝鮮の味方として発言してきてあげていたプーチンとしては、文句なしに金正恩と蜜月関係を演じることだろう。
その金正恩としては、これまで非難してきた関係国と仲良くなるわけだから、一つだけ敵国を創っておいて、国内の求心力を保っていなければならない。そこで六者会談のうちの日本だけをターゲットにして非難し続け、かつ「もし俺と会いたいのなら」と条件を付け、日本からは巨額の戦後賠償金をせしめる魂胆だろう。そのことは3月23日付けのコラムに書いた通りだ。
当然、その後、ロシアにも行き、プーチン大統領とも会うことになるのではないだろうか。
背中に中国とロシアという大国を抱き、本来敵国であった韓国とアメリカの首脳と会談する。こうすれば北朝鮮に有利になり、トランプの強硬派人事に対抗することもできる。いざとなったら北朝鮮への先制攻撃という可能性に対抗するために、習近平に会い、プーチンに会うという金正恩の戦略と見る。(以上 遠藤誉氏)
★ (ベッラの意見)金正恩氏の北京行は「電撃」といわれているが、一方で今年はじめから決まっていた、ということをネットではじめて知った。さっそく北京での記事が出ているが、もしかしたら金氏は「亡命先」打診もあったのではないか、ということもその中に含められるとの推測も。
ホワイトハウスのサンダース報道官は習近平からトランプ大統領へのメッセージも紹介している。https://mainichi.jp/articles/20180328/k00/00e/030/205000c
昨日、一番最後に佐川氏証人喚問で「維新」の若き精鋭、丸山穂高議員は、中国・北朝鮮の件の懸念も指摘した。本日は朝一番に外務委員会で質疑しているはずだ。
【森友問題・佐川氏証人喚問動画】丸山穂高 日本維新の会 2018年3月27日
また以前から、石井望長崎純心大学准教授が、韓国に日本人の目が行き過ぎで、肝心なのはチャイナに目が向けられていないことを危惧されていたことも「その通り」と思っている。
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私はロストロポーヴィチの演奏会は必ず行くようにしました。彼はソ連の政治を批判し、ノーベル作家で「収容所群島」を書いて当局に追われるソルジェニツインをかくまったのです。「私は音楽の兵士だ」と巨匠はどこでもいいました・・・
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