昔に比べて九州から東京へ出ていく学生の数は減ったと思うが、人口も減っているので、人口比で考えるとどうなのかはわからない。
今月、推計で福岡市の人口が150万人を突破したとのこと。京都を抜き、政令市で大きい方から6番目。流出より流入が多いらしい。これも良い事か悪い事かわからない。恐らく、福岡は良い所だというイメージが少しはあってのことだとは思うが…。
少なくとも「食」に関しては日本一の座を狙えるところにある。これは明白に良いところだ。
「食」足りて、さぁどうする? ここからが福岡の貧しさ物語である。食文化以外、構造的に、地の文化が発展しないようになっている。地場産業がなく、支店経済の地である福岡市。東京・大阪の資本が投入され、文化面でも超一流がかすめ通っていく。
それでも昭和の頃は、たまにかすめ通っていたものが、平成になると頻繁にかすめ通るようになった。享受する側は、それを待っていれば良い訳だ。地元で地道にがんばっても、もちろん超一流に太刀打ちできる訳はないので、そのうちやる気がなくなり、誰もやらなくなる。
超一流と同じことをやっても存在意義がないので、オリジナルな活動に活路を見出し、そこそこ成功することはある。が、一般市民にはそれを評価する力がない。「早く東京で評価されてきて下さいよ、そしたら安心して歓迎するから」のような見方が混じるので、やはり地元が盛り上がることはない。
と、半ば絶望視しているところがあり、先日そのような原稿を提出したら「あまりにも胸が痛くなるので、もっとみんなが元気になる提言を二つ三つ出してまとめてください」と書き直しを要求された。それもごもっとも。
それで、無い知恵を振り絞って思い出したのが、富山県が作った「逆さ地図」。日本と周辺諸国の地図なのだが、南北が逆で上が南になっている。こうすると、富山は北の果てではなく日本の入口に見えるという、まさに逆転の発想なのだが、その伝でいくと、福岡はさらに正真正銘の入口だ。
その「入口」でおいしいものを食べて、とりあえず満足すると、ほら、何かもう少し面白いもの、やりたくなりませんか?やりたくなるでしょ?やりましょうよ・・・
とは書かなかったが、それに類することを、やっとの思いで書いた。
食文化の充実は、もちろん大きなプラス要因だ。でも人はパンのみにて生くるにあらず、と言い古されたことをまた言いたくなるのである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます