その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

絶賛売出し中ポぺルカの自己紹介演奏会:N響2月定期Aプログラム、ペトル・ポぺルカ指揮、ヤナーチェク<シンフォニエッタ>ほか

2025-02-11 07:34:49 | 演奏会・オペラ・バレエ(2012.8~)

2月の定期はAプロとBプロをペトル・ポペルカが指揮を務める。私には初めて聴く指揮者であり、N響との共演も初めてということだが、「現在、ヨーロッパとアメリカで旋風を巻き起こしているチェコ人指揮者」で、24-25年シーズンからはウィーン交響楽団の首席指揮者に就任するとのこと((プログラム「フィルハーモニー」)で、とっても楽しみにしていた演奏会。

今回のプログラムは、いずれも「ポペルカの出身国であるチェコにゆかりのある作品を並べたプログラム」(「フィルハーモニー」)で、指揮者の自己紹介とも言えるラインナップ。

4曲はどれも聴き応えたっぷりだった。前半はR.シュトラウスのホルン協奏曲第1番のソロ奏者ラデク・ボバラークの朗々と響く美音が愁眉。楽曲もモーツアルトと間違うほどの、優雅で私にも聞きやすい音楽で、大きなNHKホールの隅々にも届くホルンの音色を堪能した。

後半のドヴォルザーク交響詩「のばと」は初めて聴く曲。夫を毒殺した女性の救済という物語はかなり陰鬱なのだが、音楽は叙情性に溢れ美しい。場面場面のシーンが目に浮かぶような音楽がN響の繊細なアンサンブルで演奏された。

最後のヤナーチェクのシンフォニエッタは冒頭のファンファーレで、最後列に陣取った金管のバンダ隊の輝かしい音色がホールに弾けて始まる。活力にあふれた音楽で、聴いていて元気が出る。ポぺルカの指揮はとっても端正で、N響メンバーとも初顔合わせには見えないほどの指揮姿。これから更に頭角を現す予感がする。

終演後は8割以上埋まったホールからは大きな拍手が寄せられ、ソロカーテンコールまで続いた。私が聴いたことがあるのは、ヤナーチェクだけだったが、とっても良い音楽と演奏をしっかり聴けた満足感で一杯の演奏会だった。今後、ポペルカと言えば、今日の自己紹介演奏会の記憶が蘇るだろう。

 

定期公演 2024-2025シーズンAプログラム
第2031回 定期公演 Aプログラム
2025年2月9日(日) 開演 2:00pm [ 開場 1:00pm ]

NHKホール

指揮:ペトル・ポペルカ
ホルン:ラデク・バボラーク

ツェムリンスキー/シンフォニエッタ 作品23
R.シュトラウス/ホルン協奏曲 第1番 変ホ長調 作品11
ドヴォルザーク/交響詩「のばと」作品110
ヤナーチェク/シンフォニエッタ

Subscription Concerts 2024-2025Program A
No. 2031 Subscription (Program A)
Sunday, February 9, 2025 2:00pm [ Doors Open 1:00pm ]

NHK Hall

Zemlinsky / Sinfonietta Op. 23
R.Strauss / Horn Concerto No. 1 E-flat Major Op. 11
Dvořák / The Wild Dove, sym. poem Op. 110
Janáček / Sinfonietta

Conductor: Petr Popelka
Horn: Radek Baborák


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新国立オペラのフィレンツェ... | トップ |   

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。