小さな桑の木がスッポリ蜘蛛の糸の帽子を被っているようなのがアチコチで目についた。周辺の葉などには小さな黒い粒が一面に散らばっている。目を凝らすと中には小さな白い毛虫がうじゃうじゃいた。蚕ではあるまい。何だろう。疑問は膨らむばかりだった。
そろそろ巣網を出かかっているのもいます
健保グランド辺りまで行くと桑の木全体に蜘蛛の巣のような物が吊り下がり緑の葉がが殆ど無い。何なんだと思いながらペダルをこいで行くとそんな木の連続だ。低い枝を引き寄せると中にさっきの毛虫がうじゃうじゃいた。オニグルミは大きな実を残して葉は全て葉脈のみの透け透けだ。錦乃原桜草園辺りまで緑の葉が無かった。
3齢虫までは巣網にいるようだがこれはもう個々に行動し始めたのだろう
葉の中にあったはずのオニグルミの実が丸見えです
調べてみるとアメリカシロヒトリの幼虫らしい。とにかく食欲旺盛という。戦後進駐軍の荷物に交じって侵入し、一時大発生して社会問題化したらしいが、天敵などの出現によってその後は収まっていたようだ。
この辺りは桑の木とオニグルミが多く、ほとんどが緑の葉が無くなっています
でも、この様子を見ると緊急事態再発の気がする。アメリカシロヒトリの幼虫は100種以上の樹木の葉を食べるといい、サクラも食害された事があるようだ。このまま放っておいたら大変な事になりそうだ。
成虫は害虫だが毒針は無く、人体には害はないというが、あれだけの木が裸にされたら生態系に悪影響が無い筈はない。何らかの対策が必要だ。
因みにヒトリガ科は火取蛾(灯取蛾)で夜の灯に集まる習性が由来。「飛んで火に入る夏の虫」なのだろうが、幼虫の食欲は恐怖だ。