★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

あの頃のアルバイト

2014年12月23日 16時58分40秒 | 徒然(つれづれ)
 学生時代はいつも金欠だった。
 少ない仕送りなど、借金返済や一時の豪遊でほとんどなくなってしまう。
 食うに困ったら、友達に借金したり、奢ってもらったりでその場をしのいでいたが、それでもダメな時は手っ取り早いのがアルバイトだった。それも食事つきのヤツだ。

 お手軽で、いつも学生課のアルバイト掲示板に出ていたのが、1日だけの会場準備のバイトだ。
 いろんな催しの会場の設置で、展示会や交流会、講演会などの準備だ。
 昼飯つきで終われば日当が出る。それで2、3日は食いつなげる。

 オールナイト映画館の売店のバイトは、忙しいのは休憩時間だけで、あとは本を読んだり客席に紛れ込んで最新のロードショーを観ることもできた。
 夏のデパ地下の改装オープンの、着ぐるみでのチラシや風船配りは結構きつかった。
 パンツ一丁で、そこそこ重いクマやウサギの着ぐるみを付け、デパ地下の通路を歩くのだが、10分もしないうちに汗が吹き出し、悪ガキに蹴られたり叩かれたりで体力消耗は激しかった。
 3、4人で30分歩いて30分休憩の7回のローテーションだ。
 1週間ほどで4、5万円とギャラは結構よかった。
 
 映画のエキストラで朝一に集合して、大雪のためロケが中止になり、一時間ほど待機しただけで、1日分のバイト代をもらったのはラッキーだった。
 電気部品の組み立てラインのバイトは単調ですぐに飽きてしまい、1週間の予定が3日で辞めてしまった。

 単発や短期のバイトが多い中で、珍しく長く続いたのが、修学旅行生対象の旅館の雑役バイトだ。
 泊り込みで、朝5時に起床して朝食の準備と後片付け、布団の上げ下ろしや掃除、9時に終わって学校へ行き、夕方4時から夕食の準備と後片付け、布団敷きと風呂掃除をして9時半に上がりだ。
 途中で食べ放題の食事も出て、適当にサボることもできたし、タコ部屋状態の部屋には専用の布団があり、長期の寝泊りも可能だった。

 私は1ヵ月とか長くて2ヵ月やり、期間をあけてまた1ヵ月とかのペースだったが、半年とか1年以上続けている猛者もいたほどだ。
 観光都市京都だけあって、学校の夏休みや冬休み以外は年中修学旅行生を受け入れている旅館だったので、いつ行ってもバイトの口にありつけた。
 バイトの学生は京都のいろんな大学から来ていたので、他大学生との交流もできた。
 近所に飲み屋や雀荘、パチンコ屋などもあり、日々の娯楽にも事欠かなかった。

 あの頃の学生も今や還暦を過ぎ、たまにはあのバイトのことを思い出しているのだろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学友と一献

2014年12月23日 13時40分52秒 | 徒然(つれづれ)
 昨夜は大学の同窓生H君とK君で、2ヵ月に一度くらいのペースで開催している飲み会。
 神戸在住のH君は、外資系損保を10年ほど前に早期退職して、会社の先輩と保険代理店を立ち上げ、専務の椅子に納まっている。
 奈良在住のK君は、地方銀行の支店長から関連会社へ天下りして、心筋梗塞を機に退職し、療養生活を経て、今は学校関連法人の契約社員だ。
 ふたりとも学生時代は肩までの長髪だったのが、今や見るも無残なハゲ頭だ。私だけがロマンスグレイの天然パーマだ。
 
 昔の話や自身や知り合いの近況など話題は尽きない。
 アルコールが回るに従って、還暦を迎えた自身の今後に話が及ぶと、それぞれの価値観が如実に現れる。
 
 心筋梗塞で死というものを身近に意識したK君は、日々の充実を説き、読書や陶芸、京都や奈良の寺社仏閣めぐりや旅行など精力的に活動しているようだ。
 H君は娘が来春やっと大学を卒業の運びとなり、就職も決まり、社会人の息子が来年の夏に結婚するという。それでほっと一息がつけるとのこと。
 私は今年初孫に恵まれ、定年で契約社員となり、日々惰性で会社へ出ているような状況だ。

 我々が平均寿命まで生きるとして、あと20年、健康寿命は15年がいいとこだろうとK君はいう。その期間が過去を振り返ればわかるように、あっという間だと彼は言う。
 これといった趣味もなかった彼は、現在なんにでも首を突っ込み、体力の許す限り国内外を問わず旅行をしているという。
 そんなことを熱く語るK君に、H君は、明日は明日の風が吹く、平穏無事に日々を過ごせたら、それでいいと泰然として言う。

 私もどちらかといえばH君派だ。
 焦ってみてもなにもいいことはない。
 人の意見などどこ吹く風だ。
 経済状況にあった生活をして、好奇心の求めるままに、できることをやるだけだ。

 ひとつだけ肝に銘じているのは後悔をしないこと。
 なにをして、またはしなくて、どんな結果が待っていようと、いちいち気にしない。
 なるようになるさ。
 狭い日本、短い人生、そんなに急いでどこへ行く。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする