★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

身の丈を知る

2014年12月09日 21時52分42秒 | 徒然(つれづれ)
 夢に向かって努力すれば、夢は叶うものだ、とは若い頃よく言われた殺し文句だ。
 それも、どう見ても夢が叶ってそうにもない、目上の人間に言われたものだ。
 リアリティに欠けるとは思いながらも、お互いに神妙な顔をしていたように思う。

 夢が叶う人間より、叶わない人間のほうが圧倒的に多いのだ。悲観する必要などない。
 夢が叶ったと世間で言われる人間を見ても、努力の賜物とは思えない。
 当然努力はしただろうけど、同じくらい、いや、それ以上に努力をした人間は、他にもいくらでもいるだろう。要は運がよかっただけのことだ。
 こればっかりはどうしようもない。

 ある程度歳をとると、人によっては20代、ある人にとっては40代かも知れないが、夢と現実のギャップに気づき、自分の身の丈を知る時が必ずあるように思う。
 夢は持つが、それは所詮叶わぬ夢だとわかっている。
 例えれば、宝くじで3億当たったら、あれもしよう、これもしようみたいな感じだ。
 将来の夢より、今夜の夢だ。

 身の丈を知ると、無駄な努力をしなくなる。
 見栄を張ったり、背伸びしたりしなくなる。

 昔は欲しいものがたくさんあった。
 夢が叶って金ができたら買おうと思っていた。
 例えば、ギターでいうと、ギブソンやマーチンのビンテージ物。
 結局買えなかったが、冷静に考えると、いいギターはそれなりの腕がなければ、単なる宝の持ち腐れだ。
 高い絵画やブランド物の服も、審美眼やファッションセンスがなければ、猫に小判、豚に真珠だ。自分の身の丈にあったギターや、絵画や服で十分だ。

 夫婦ふたりだけの暮らしなら、2DKの間取りでいい。ごちそうはいらない。安い牛丼や餃子やラーメンやカレーでいい。ブランド物もいらない。自分のファッションセンスを満足させる、通販の安くてお洒落な服でいい。酒を飲むのも、新地のクラブでなく、天満の居酒屋で十分だ。

 人生もう先が見えている。片意地張らず、今日を楽しく生きられれば、それで文句はない。明日は明日の風が吹く。
コメント
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