★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

私の好きなもの

2015年02月03日 22時49分31秒 | 徒然(つれづれ)
 早朝の店内は、寒風の屋外とは打って変わって、春のうららかな日和のような暖かさで私を迎え入れてくれた。
 先客はおらず、店内は閑散としている。
 
 カウンターのスツールに座ると、間髪を入れず店員がお茶を出し、オーダーを取る。
 私はいつものヤツを注文する。
 
 待つこともなく、料理が運ばれてくる。
 見た目も鮮やかな古伊万里柄の丼が、いやが上にも期待感を高める。
 丼一面の薄茶色は、厳選されたアメリカンビーフだ。
 秘伝のタレで味付けされ、適度に玉ねぎをちりばめた具が、ほかほかのご飯を覆いつくしている。
 そこへ卓上の紅しょうがをテンコ盛りにする。

 深呼吸をして、丼からほのかに匂いたつ甘辛い匂いを吸い込む。
 食前の至福だ。
 それっとばかりに、かき込む。
 わき目も振らずただひたすらかき込む。
 牛肉の甘辛さとやわらかな食感、玉ねぎの甘さとシャキシャキ感、紅しょうがの酸味が、渾然一体となり、私の味覚をやさしく刺激し、空腹を満たす。
 ステーキでも焼肉でもない、このチープな肉が私は好きだ。

 吉野家の牛丼よ永遠なれ。
コメント
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