goo blog サービス終了のお知らせ 

★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

腕前に合った値段のギター

2022年08月31日 12時21分37秒 | 徒然(つれづれ)
 京都で過ごした大学時代、ギター少年の私は河原町に出るたびに十字屋楽器店に顔を出していた。
 京都の音楽をかじった大学生で、十字屋を知らない学生は、それこそモグリだ。

 二階建て店舗の1階のフロアに林立する、アコースティックギター(当時は単にフォークギターと呼んでいた)やエレキギターが、ギター小僧の胸を高鳴らせたものだ。

 その中でも、湿度対策を施したガラスケースの中で、燦然と輝くマーチンのD-45はマニア垂涎の至高のアコギだった。
 値札には金額は表示されてなく、応相談の文字が貧乏学生を暗に拒絶していた。

 プロや限られた常連しか試奏させてもらえなかったようで、半ば素人の私には高嶺の花だった。
 ショーケースの前で、就職したら金を貯めて、いつかは買ってやるぞと心に誓っていたものだ。

 時は流れて、サラリーマンになった私は、長期の分割払いだと買えないことはない身分になった。
 しかしその頃は私のギター熱もだいぶ冷めており、趣味としてのギターに100万円以上も出すほど馬鹿ではなかった。

 自分のギターの腕前とD-45の値段はあまりにもかけ離れていた。
 無理して買ったところで宝の持ち腐れ、猫に小判、豚に真珠だ。

 そんなギターを、わかる人間の前で下手に弾いたところで、鼻で笑われるのがオチだ。
 安物と弾き比べても、たぶん違いがわからない私には、せいぜい10万円以下のギターがお似合いだ。

 そんなわけで、今はネットで安く買った中古のフェンダーのロン・エモリ―・シグネチャーモデルを愛用している。
 ショートスケールのパーラータイプのコンパクトなアコギで、古いブルースナンバーをシコシコ弾くのに最適だ。


ビートルズのジョージ、ストーンズのキース。どちらも伝説のバンドのリードギタリストだ。そのふたりに共通するのがヘタウマ。キースに至っては、歳をとってその素人顔負けのヘタさに磨きがかかってきた。しかしそのサウンドには、他のギタリストには出せないオリジナルな味わいがある。それがビートルズやストーンズを、伝説にならしめた要因のひとつだと言っても過言ではないだろう。 そんな味わいの小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★ 拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
 読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする