着る人により

①ネットオークションでビンテージ物のTシャツとキャップを、合わせて25万円をはたいてゲットした。
　TシャツはJALEEMANの1960年代の新古品。サークルロゴのかすれ具合がお洒落だ。
　キャップも同じく1960年代のモーターレーシングチームのオリジナルだ。
　ダメージ加工とは一線を画す、長年の使用感が歴史を物語る。
　どちらも1点物で、古き良きアメリカを象徴する優れモノだ。
　本来であれば、コレクションとして飾ったり、大事に保管するところだが、私は衣料品本来の用途で普段着とすることに決めた。
　一見くたびれたTシャツと薄汚れたキャップにしか見えないが、これを見てアメリカン・ビンテージとわかる目利きの人間はいるだろうか。

②ネットショッピングで格安のTシャツとキャップをゲットした。
　Tシャツはレトロ風のサークルロゴのかすれプリントで、999円也。
　INTERROGATION(尋問)のロゴのわけがわからない。
　キャップはダメージ加工で、どこかのレーシングチームのワッペン付きで、778円也。
　もちろん、どちらもメイド・イン・チャイナのワンシーズン限り使い捨ての半端モノだ。
　これを着て「このビンテージ、ええやろ？」と振った時に、マジレスする人間がいるだろうか。

①の場合は、それとわからないほうが、さり気なくていい。　
②の場合は、私が着ているからには、そこそこのモノではないだろうか、と相手に思わせたい。

　さて今回私が手に入れたのは①②のどちらでしょう。
　
　

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