第316話 道草

2010年10月05日 00時12分43秒 | 子育て・「おママごと」
いっちょ前に話せるようになる(第312話 いとをかし参照)と、クレームも出てくる。
「い~っつも、Kのお迎え、遅いなぁ」「もうM君、帰った。M君のお迎え、早いねん」「もうK君、待ちくたびれたわ」
ん~ なかなかバリエーション豊かに「いつも遅い」と訴えてくれる。
ここはひとつ、一度、息子を職場に連れて行くか。

息子と別れてからの私の行程をKは知らない。Kの知らないママの世界を見せることにした。
「Kとバイバイしたらママいつもこっちに向かうでしょ。駅に向かって、電車に乗りま~す」
私は休日、職場の方々に迷惑をかけてもいけないのでお昼休みに目的地到着設定。
「ここがママのいつも働いている場所。これがママの机。Kの写真もありま~す。
 Kの写真を見ながら頑張っていま~す」
私がいつも座っている椅子に座ってみたいと言い出し、
パソコン(消えている)のキーボードをニコニコたたいていた息子。
少しは「ママ、お仕事」が視覚的にイメージできたかな?

帰り道、駅に向かう途中、高架下に公園がある。
普段気にもとめていなかったが、息子が遊ぶといってきかない。
この後近くの商店街に寄るつもりなのに・・・また寄り道。
早くお買い物に行こうよぉ・・・まだ寄り道(泣)

やっとこさ商店街に到着。
息子はこの日、背中に「イケメン」と描いたTシャツを着ていた(笑いをとるため)のが災いして、
商店街に一歩入ると、大阪のおっちゃんたちがやたら話しかけてくる。
「よっ。そこのイケメンの兄ちゃん。こっち向いて~」
「何歳や。3歳かぁ。ワシ、3歳の時におやじが死んだんやけどな、記憶にないねん。
3歳までの記憶ちゅうのは残らへんで」って、私でもリアクションに困る話題を息子にどうしろと?
立て続けに濃ゆ~いおっちゃんに恥ずかしがり屋の息子は「なんか怖い」と半泣き。
でも、それが商店街。適当に交わしながら、触れ合いながらお買いもの。
薬局屋さんにいけば、レジで「よし、これ、あげよ」と小さな緑の指人形カエルをいただき、
また違う薬局にいけば、「はい、どうぞ」と製薬会社の景品(小さなバット)をいただいた。
八百屋さんにいけば、あの独特の変な声でのタイムセール紹介。息子と共に並ぶ野菜を選ぶ。
あ、そのマスカットは高い・・・けれど、今日は息子のリクエストに応えて購入。
そうそう野菜と果物は一緒に売ってるもんね。スーパーにはない、を体験。

企画「ママの職場体験と商店街ツアー」 
お迎えにいくと「今日もまたお迎え、遅かったなぁ」
残念ながら企画後の息子に(一見)変化はなかったが、変化は私に訪れた。
寄り道の高架下公園。
公園内をじっくり見るのは入社以来初めてのことだった。
何年ぶりかな・・・久しぶりに鉄棒を握り、地面をけった。
瞬間的に昔より重くなっている私に気づいた(笑)が、その重みを反動に変えて一回転。
息子が喜ぶので続いて二回転。
昔はスカートのすそを絡めてぐるぐる回っていたなぁ・・・たまには道草もいいものだ。
コメント
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