第9話 招福祈願

2005年05月21日 23時56分42秒 | Weblog

昨日は節分。(この記事は2/2付劇団カプチーノHP掲示板に掲載されたものです)
その年の恵方を向き、巻きずし(切れていない太巻き、子供用に細巻きもあるらしい)を
無言で食べきったら、無病息災招福祈願となる日本の?大阪の?恒例行事。
例年は、家族四人揃って、生真面目に恵方を確認、
私は弟に「今年は笑かさんといてな!」と念押し、いざ出陣。
本来は無病息災だと思うのだが、欲張りな私はここでもやはり願い事。
もの言わずこれ食えば、願いは叶う! 恵方を見る目は本気。
気合いは充分。だが、しかし…私は食べるのが遅い。
それぞれが無病息災のゴールを果たし始めるが、私はまだまだ先、長し。
よそ見してはいけない。恵方をむいて一心不乱に…もくもくもぐもぐ。
自身の無病息災を勝ち得た弟はいつも私を笑わせる。
笑うな、笑うな、笑うと願い事が…ブッ。
となり、例年願かけ途中、完食できず、後半ぷりぷり食べることとなる。

でも、今年は、弟が家を出て、両親も留守、チャンス到来、
ずんと重みのある長い巻きずしを素手で持ち、いざ行かん!
…私は食べるのが遅かった。
その間に不覚にも、前から見た今の私の図って面白くない…?と雑念が。
もしかして今、目がいってたかな…と、とどまることを知らずあふれ出す雑念。
今はそんな事どうでもいいから願い事を…と集中力が途切れたその瞬間、
噛み切れなかったかんぴょうが一本、巻きから飛び出し、
そのまま私の口に、でっろ~ん、とぶら下がった。
とっさに「うわっ、ちょっと私って…野生の王国みたいじゃない?」
え?突然、野生の王国!この時点で、願い事は吹っ飛んで、王国だけが残った。
無の境地、遠し、今年は自身の雑念に敗北したが、恵方に向かって笑った、笑った。
しょう吉もありかな、と。

※これで掲示板にUPしたものをすべてブログに移行完了です。
もうすぐ劇団HPカウンターが5000になりそうですね。
 記念のほろこぴ茶話ん、何にいたしましょうかね~わくわく検討中。


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