第283話 ムツゴロウさん

2010年03月28日 06時03分01秒 | 子育て・「おママごと」

いってきました、修了式。
0歳児、1歳児クラスの園児は保護者の膝の上に座っての式典参加。
この動き回れず、騒いで欲しくないシチュエーションは公共機関乗車スタイルではないか。
不安がよぎる。
修了式とはどんなものか? 昨年参加できなかった進級式への思いも加わり、
私は早めに会場入りし、センターポジョンをゲットした。
息子を膝上に乗せる。
最初はかしこまって座っていた息子だが、会場のガヤガヤ感が高まるにつれ、
落ち着きがなくなる。
予想はしていたが、式典が始まる頃にはもうできあがっていた。
理事長先生の挨拶では、私の太ももの上に立つバランス遊び。
私に手を出すなと補助を制止し、一人立ちをするのだが、
太ももの上なので、グラグラ揺れる。このグラグラ感に大はしゃぎ。
お願いだがら、静かにしてくれ・・・
続きまして、私の膝上で向かい合わせになり、徐々に体をそらしていく。
これは、私の補助を前提とする遊びで、
私の支えがなければ、頭から床に激突してしまう危険な感じに大興奮。
何度も何度もイナバウワー。
二の腕で支えなければならない。う、腕がぁ~。
お願いだから、じっとしてくれ・・・

不意に、私、ムツゴロウさんみたいだなと。
「よ~し、よしよし」ムツゴロウさんのあのフレーズ。
考えてみれば、今の私はムツゴロウさん的生活を送っているような。
ツルツルほっぺをなでまくり、よ~し、よしよし。
ピチピチ動く息子を危うく落としそうになりながらも抱き、よ~し、よしよし。
顔にかかる彼のよだれ、不意に食らう彼の頭突きにも、よ~し、よしよし。
あの頃、笑いながら噛まれていくムツゴロウさんの気が知れなかったが、今ならわかる。

そんな馬鹿なことを考えていたら、ついに運命の担任紹介。
パパが仕事のため、担任の先生だけでもビデオに撮っておこうと息子を降ろし、
構える私に「ママ、ママ」と私の腕を下から揺する。
あぁ、ブレまくり。息子の泣き声入り・・・
4歳児クラスの担任紹介で、M先生の名が・・・お別れ確定の瞬間である。
前クラスの親の落胆と新クラスの親の歓声が入り混じる。
集中力を欠いた息子はさておき、となりにいるR君の顔が泣き顔にゆがむ。
いつもにこにこR君、さっきまでにこにこだったのに・・・
先生との別れをわかっているんだね。

園歌と町歌を初めてきいて式典は終了した。到着駅についた安堵感と共に。
会場を出で、もう違うクラス担任となったM先生に最後のご挨拶。
大人の話に興味はないと、息子は園庭で遊んでいる。
「K、最後、先生に挨拶しよう」
うながすが、頑なに下を向き、土いじりをして逃げていく・・・わかってるんだね。
抱き上げて、もうお別れだと伝える。
息子の顔が歪む。先生を見ようとしない。
帰り道、「K君、M先生、好き」と幾度となく言っていた。(きいてもいないのに、自発的に)
先生が手を差し伸べる。観念したのか、短い握手。
M先生が「今、私の手をぎゅっと力強く握ってくれました」と目を潤ませる。

春は別れの季節を乗り越えると、出会いの季節。
進級なのだから、新しい環境へ前向きに進まねばと思う。

※2歳児クラスから、1歳児までの手厚さがなくならびっくりするよ
と上の子がいるママ友に教えてもらった。
私たち甘ったれ親子にとって試練の年になるかもしれない。
息子自立への第一歩ととらえ、教員への評価へと混同しないようにせねば。


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