こげの耳に★ねんぶつ★

たわいない日々の思うことと愛犬こげと花が咲いていたら花の写真など

解体中でした。

2010-11-05 05:30:30 | いろいろ

         20日ほど前のダイモンジソウ 今は満開

20日ほど前でしたか、いつもの散歩にこげと出かけました。折り返し点までは4~500

メートルのところで急にこげが小走りになり、それをおさえながらもついていくとだんだん

鼻を高く上げたので、こちらは「なにか動物?」と警戒しながらクマとかイノシシはいやだ 

なんて思いながら進んでいきました。折り返し地点のお宅の前でそこの息子さん(とは

言っても私より年は一つ下だけど)、しゃがんで家の前の川原を見ています。川では二人の

おじさんが何やらしていますが、体に隠れて見えません。こげはますますリードを引っ張り

目はランランと輝き、鼻を今度は川原にむけてクンクン。進んで行くにつれ川原でなにを

しているのかがわかりました。同時におじさんがこげの鈴の音で顔をあげ、見ていた息子、

Tさんが「あの犬は三尾川の猟犬の子や」と言ってます。「もしかして、イノシシ?シ

カ?」「シカ」とTさん。川原でシカをさばいていたのでした。なにも匂いもしてないのに

こげはずっと下流からこの匂いを嗅ぎとっていたようです。もう少し、鼻が利き、服従とか

できれば警察犬になれたも・・・。

このシカはワナか畑の囲いの網にかかったんでしょうか?とにかく三人がかりで川原に

下ろして 脚を切ってちょうど肉を切り取るところに私達が来たわけです。

こげはもう 道から川原に下りたくて(下りてどうすんのよ)仕方ないのを必死で止めたら

今度はお座りをしてシカを解体するのをじっと見つめ動こうともしません。私も仕方なく

終わるまで待つことになってしまいました。シカはオスでなぜかツノが片方しかありません

そういや昔『片耳の大鹿』という本があったなぁ。内容は忘れたけど椋鳩十の作品だった。

教科書に載っていたのは『月のわぐま』だったのは覚えているんだけど、大鹿は図書室で

見たのかな。子供の頃は動物の優しい心を思いやっていたこの私も、年をとるとこうして

シカの解体も驚きもせず眺められる・・・そんな自分が少しイヤだな。こげと散歩をするよ

うになって、猟期中に逃げるシカや撃たれたシカ、川の中で死んでいるシカ、山の中で悠々

と歩いている姿と、いろんなシカを見、この季節鳴き声も耳にする。シカは増えすぎたのだ

県内で、人間に害を及ばさない頭数はだいたい7000頭ぐらいだとか。それが和歌山県で

22000頭ぐらいいるらしい。だから今年は狩猟制限がほぼないらしい。減らさないと

獣害がひどいという。シカからすれば人間の勝手な言い分だろうな。昔は猟師はメスは子を

産むから撃たなかったという話を聞いたことがある。それでも大きな獣害がなくシカと人間

が共生できたのだ。人間が悪いのかシカが悪いのか・・・、人間が悪いんだろうね。


あれこれ考えている間も、黙々とおじさん二人はシカをさばいていきます。包丁ではなく

ヨキのようなものでしょうか。細かいところは小さなサバイバルナイフのようなもので

そして血は川に流れていきます。死んでいるから量は少ないようです。私がジッと見ていら

れたのは、次はどうするんだろう?と思う気持ちと、グロ(グロテスク)な感じに思わなか

ったのは、きれいにさばくから。内臓はそのままひとつのかたまり状態で取り出していた!

シカはこげくらいの体長だったけど、体の中身はかなりあるようです。おじさんが

「ねえさん(私のこと)、これいらんかい?体にええらしいで」

「それはなんど?」とTさん。「それは肝臓?もしかして」と私。それはそのときは青く見

えたけど、おじさんが薄皮をはいで川の水で洗うときれいなレバー色?と形になっていまし

た。「いやいや、よう食べんからいい」とお断りを。きれいに背中の肉を切り取り、解体は

終わりました。手伝ったおじさんは肢4本もらって帰っていきました。私達も帰りだしたん

だけど、こげが真夏のときのように川を、水の中を歩きだしたのです。匂いを嗅ぎながら。

血は水に溶けて、全然赤く染まってないのにね。グングン引っ張るのでついていくと浅瀬に

引っかかった毛皮の切れはし、こげにはわかるんですねって、おまえは猟にも行ったことな

いのに。これから狩猟期になるから散歩もドキドキしながら行くようになるのだ。クマ騒動

もあれから聞かないし、あとは流れ弾に当たらないよう気をつけなくちゃ。


帰っておとうさんに一部始終話したら「シカをさばいてるのはよう見んなぁ。よく見れたな

あ」と言うので、「でも魚をさばくのより、ずっときれいやったで。魚は血がドバッと出る

やん。ほんとにきょうのおじさんはきれいやったわ、さばくのが」と言ったのでした。

コメント
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