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京都文化博物館の“みんなのミュシャ展”を鑑賞して

さて先週末、“みんなのミュシャ展”が10月の開幕以来、来場者3万人を突破したと主催者が発表していた。私も先月、京都文化博物館で開催されているこの展覧会に出かけていた。 ミュシャは20世紀前半にパリで活躍したチェコ出身のグラフィックデザイナー、イラストレーター、画家。実は私はミュシャは知らなかったが、藤島武二をはじめ多くの日本人画家の心を惹きつけてきたようだ。特に、日本の漫画というより劇画界に与えた影響は大きく、そのため若い人の来場者も多かったようだ。パリの女優サラ・ベルナールのポスター画で有名になったが、ポスターの中央にモデルの顔、その周囲に円環を描いて、その円環モチーフから女性にまとわる衣の裾等で“Q”を形成する“Q方式”と呼ばれる様式を確立した。ポスター肖像ではあるが、そのモデル女性の目、視線は生きていてそれで全てを語っていると感じられる。また、ミュシャの作品は線画であるが、当時パリでは絵画は光を描く印象派の影響が残る時代に、日本の浮世絵のような線描イラストで新境地を開いた、と言えるのだろう。またそれだからこそ、日本人に強い共感を与えるのかも知れない。 . . . 本文を読む
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