小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

小児急性虫垂炎(盲腸)の診療ガイドライン2017発表。

2017年10月30日 07時20分15秒 | 小児医療
 私が研修医の頃は、虫垂炎の診断は腹部触診がメインでした。

・胃腸炎の腹痛は腹壁が柔らかく、臍周囲痛が中心。
・虫垂炎の腹痛は腹壁が痛みで緊張して硬く触れ(筋性防御)、痛みが右下腹部に固定。

 で判断していました。
 その後、超音波検査(エコー)が発達し診断・手術適応決定に欠かせない存在になってきました。
 そして今、虫垂炎診療のガイドラインが公表されるに至りました。

 それから、軽症の虫垂炎では昔から「薬で散らす」(抗菌薬投与で経過観察する)習慣がありました。
 現在でも薬の使い方は定まっていないようですね。

■ 国内初の小児急性虫垂炎診療のガイドラインが登場〜「虫垂炎スコア」が小児急性腹症の診断を支援
2017/10/26 日経メディカル

 あれ、『エビデンスに基づいた子どもの腹部救急診療ガイドライン2017』をネット検索しても見当たりませんが・・・?

 気を取り直してもう一つ関連記事を紹介します。
 まだ上記ガイドライン発表前のないようですが、問答形式でわかりやすい。
 虫垂炎には抗菌薬(=抗生物質)が効くのだから原因となる細菌があるはず、するとその起炎菌は何だろう・・・と素朴な疑問がわいてきます。近年、ようやくこの正体がわかりつつあるようで、起炎菌として「虫垂炎との関連が最近指摘されている嫌気性菌のBilophila wadsworthia」と記載がありますね。

■ 急性虫垂炎にはまず抗菌薬投与が主流に
2017/9/8:日経メディカル
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