かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

事故原因があらかた分かった今からが本番のはず。

2005-04-29 23:18:29 | Weblog
 今日は外は暑い一日でしたが、家の中は真夏と違って比較的ひんやりしてました。外と内の温度差に、まだ4月なんだな、と感じることが出来ます。まあこのまま夏に突き進むこともないとは思うので、いずれ気温も落ち着いてくるでしょう。もっとも紫外線は真夏並と言うことですし、せめて陽気が季節相応になるまではなるべく外出しないでいるのが良いようです。
 尼崎の鉄道事故は、どうやら置き石などの外的要因ではなく、タイトなダイヤ編成に縛られた余裕の無さが生み出したヒューマンエラーが原因のようです。遅れを取り戻すためにどの運転士さんも日常的に事前の直線で出来るだけ加速、カーブ手前で急減速する運転手段がまかり通っていたと言うことですし、無くなってしまった事故車の運転士さんも、日頃の運転を実践するつもりだったのでしょう。でも、色々心理的なプレッシャーもあってそんな熟練技を決めることが出来ず、事故に至ってしまった、と。運転士の若さ故の過ち、と言うのが、事故の一因であることはうたがう余地も無さそうです。でも、乗客の安全が第一であるべき公共交通機関としては、その大事な安全を確保するシステムが、運転士の熟練技だけというのはなんともお粗末と言うしかありません。しかも、時速133キロまでは大丈夫という安全速度の見積も、全く机上の空論でしかなかったと聞いては、この会社の見識を疑うより無いです。実体に即した厳密な数字よりも、自分達の都合にあった関数をかけた数字を採用するなんて、まるで交通量見積をあの手この手で過大に見積り、予算を獲得しては、その後出来た道路が赤字垂れ流しになっても責任をとろうとしない官僚達そっくりです。つまりこの考え方は、経営者でも技術者でも無い、硬直化した組織人からでてきたものなのでしょう。これじゃいけないと気づいた少数のまともな人が疎まれ、組織が滅んだらどうなるのか、いや、その事で組織が存亡の危機に立たされることすら想像できない貧困な思考の持ち主達が主流を成していく。国が滅びるときも、会社が倒産するときも、組織が崩壊するときは大抵そう言った病理を内側に抱え込んでいるようです。JR西日本がはたしてこれで目を覚まし、本来の姿に立ち返ることが出来るのか。どうも日本人は喉元過ぎれば何とやら、で、そう言った時間と根気がかかる根治療法を苦手とするきらいがあると私は思うのですが、自分もよく利用する鉄道の経営者には、是非ともベテランの技に頼るだけの危ういシステムから卒業するように、願いたいものです。
一運転士や架空の置き石犯人に全ての罪を背負わせずに、ね。
コメント
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