取り立てて日記ネタのない日は、「マリみて」の感想でも書いてみましょう。某氏より「感想文」の提出が義務づけられていることでもありますし(笑)。
まずは無印マリみてこと記念すべき第1巻から。
3/13の日記(http://blog.goo.ne.jp/cuckoo_01/e/271e8fa3e73264dffae61e7ec393b121)でも一応感想は述べておりますが、今回はもう少し突っ込んだ分析を交えつつ、感想を綴って参りましょう。
まず初めて冒頭のリリアン女学園を紹介する決まり文句を見た時のこと。これは一体何の冗談なのだろう? と戸惑い、あるいはあとでどんでん返しが用意された伏線の一つなのか? と半ば本気で疑いました。のっけから「天使のような無垢の笑顔」だとか、「汚れを知らない心身を包むのは・・・」とか連発されるものだから、例えば麗夢の「聖美神女学園」見たいに、これはきっとお話の中でおどろおどろしい内幕が暴き出されるに違いない、と勝手に邪推していたのでした。今にして思えば何ともひねくれた見方をしていたものだと苦笑の一つも出て参りますが、何せこの手のものを読むのは初めての経験でしたし、とにかく初めは色々いらぬ深読みばかりしていた気がします。
深読みと言えば、例えば祐巳が志摩子さんに誘われて銀杏並木の桜の樹の下でお弁当を一緒に食べていたとき。志摩子さんが何か含みがあって祐巳を誘ったのではないか、とか思ったりもいたしましたっけ。
さて、そういう第一印象で始めた「マリみて」読書体験でしたが、オープニングから一枚めくって10数行を経過した辺りにあったほんの一言で、私はこれは面白い小説に違いない! と半ば確信したのです。祐巳が祥子様に呼び止められ、驚きのあまり固まってしまったところ。これを「瞬間冷却された」とした表現は割とありきたりに感じたのですが、そのあと、辛うじて祐巳が返事をするところで、「・・・自力で半生解凍し、」と書いてあったのに私は心底驚いたのでした。あまりな驚きに硬直して、それでも必死に相手をしようと痺れた頭を辛うじて働かせてたものの、のぼせ上がってパニック寸前、といった祐巳の状態を、直前の瞬間冷却と対比して表現して、たった一言で表現しきったその言葉遣いに、私は「お見事!」と唸ってしまったのでした。
なんて事のない一言かもしれませんが、いざ自分が書く段になったとき、同じように簡潔明瞭に表現できるかというと、正直自信がありません。その後読み進めるに連れて、この一言が、実に祐巳っぽく感じられて、読み込めば読み込むほど、その的確さに恐れ入ったのでした。
取りあえず今日はここまで。次回はその不思議に心を捉える文体について、感想を述べたいと思います。
まずは無印マリみてこと記念すべき第1巻から。
3/13の日記(http://blog.goo.ne.jp/cuckoo_01/e/271e8fa3e73264dffae61e7ec393b121)でも一応感想は述べておりますが、今回はもう少し突っ込んだ分析を交えつつ、感想を綴って参りましょう。
まず初めて冒頭のリリアン女学園を紹介する決まり文句を見た時のこと。これは一体何の冗談なのだろう? と戸惑い、あるいはあとでどんでん返しが用意された伏線の一つなのか? と半ば本気で疑いました。のっけから「天使のような無垢の笑顔」だとか、「汚れを知らない心身を包むのは・・・」とか連発されるものだから、例えば麗夢の「聖美神女学園」見たいに、これはきっとお話の中でおどろおどろしい内幕が暴き出されるに違いない、と勝手に邪推していたのでした。今にして思えば何ともひねくれた見方をしていたものだと苦笑の一つも出て参りますが、何せこの手のものを読むのは初めての経験でしたし、とにかく初めは色々いらぬ深読みばかりしていた気がします。
深読みと言えば、例えば祐巳が志摩子さんに誘われて銀杏並木の桜の樹の下でお弁当を一緒に食べていたとき。志摩子さんが何か含みがあって祐巳を誘ったのではないか、とか思ったりもいたしましたっけ。
さて、そういう第一印象で始めた「マリみて」読書体験でしたが、オープニングから一枚めくって10数行を経過した辺りにあったほんの一言で、私はこれは面白い小説に違いない! と半ば確信したのです。祐巳が祥子様に呼び止められ、驚きのあまり固まってしまったところ。これを「瞬間冷却された」とした表現は割とありきたりに感じたのですが、そのあと、辛うじて祐巳が返事をするところで、「・・・自力で半生解凍し、」と書いてあったのに私は心底驚いたのでした。あまりな驚きに硬直して、それでも必死に相手をしようと痺れた頭を辛うじて働かせてたものの、のぼせ上がってパニック寸前、といった祐巳の状態を、直前の瞬間冷却と対比して表現して、たった一言で表現しきったその言葉遣いに、私は「お見事!」と唸ってしまったのでした。
なんて事のない一言かもしれませんが、いざ自分が書く段になったとき、同じように簡潔明瞭に表現できるかというと、正直自信がありません。その後読み進めるに連れて、この一言が、実に祐巳っぽく感じられて、読み込めば読み込むほど、その的確さに恐れ入ったのでした。
取りあえず今日はここまで。次回はその不思議に心を捉える文体について、感想を述べたいと思います。