かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

高額医療は医療差別と言えるのだろうか?

2005-10-19 23:59:36 | Weblog
 東大病院が会員権600万円、年会費25万円の「ガン検診サービス」を来年秋に立ち上げるそうです。来年10月に完成する22世紀医療センターという施設の中に会員専用の検診スペースを設けるのだそう。最新鋭の医療診断機器類を装備して、東大の医師によるきめ細かなサービスを提供するそうです。既に100件あまりの申し込みがあったそうなんですが、これについて、「良質な医療は保健の枠組みの中で等しく受けられるようにするのが医療の理想だ」とする意見があって、経済格差による医療サービス水準の格差にたいして批判もあるようです。まあ理想は確かに理想ですが、その医療保険自体がパンク寸前で危機的状態にある中、単に保険で、と言う発想は受け容れがたいように思えます。更に一口にガンと言っても、まだその対策は発展途上であり、東大の試みによって有意にガンを抑制し、死亡率を下げることが出来るかどうかははっきり言って判らないのではないでしょうか? いわばこれら会員さん達はそういう現在もっとも望みうる理想的環境でガン対策をとった場合の有効性を検討するための実験台になっている、とも言えます。その結果が、一般の人々が医療保険の範疇で受けられるサービスによる効果と大差ない、という可能性だって、現状ならあり得るのです。ガンは、まだそれくらい難しい対象でしょう。一方、確かに色々研究自体は進んでいて、ガンを抑制したり、促進したりする役目を持つRNAが見つかりだしているとか、疫学調査で効果がありそうなものが見つかってきているとか、今はともかく、22世紀には確かに期待できそうな成果が徐々に出始めています。彼ら高額医療会員がその先兵となって有効性を実証してくれれば、保険適用もスムーズに進むことでしょう。私には600万円の入会金も25万円の年会費も払うだけの解消はありませんが、その試みには敬意を表したいと思います。

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