かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

だから法律はきらいなんです。ハンセン病訴訟の明暗。

2005-10-25 21:38:16 | Weblog
 私は、裁判で負けた方が、堂々「不当判決」と書いた紙を高々と掲げて裁判所を出てくるのを苦々しく思っておりました。自分が気にくわないからと言って、司法の判断を「不当」扱いするというのは、思い上がりも甚だしいのではないか、と感じていたからです。判決が自分に不利に出た場合、自分の正当性に自信があるのなら控訴すればよいわけで、殊更大げさに「不当」などとアピールする必要はあるまい、と思います。ただ、今日の判決ばかりは、「不当」と言いたいのも判るような気がいたしました。ハンセン病訴訟における台湾と韓国の明暗は、同じ主旨、同じ目的の裁判において、裁判官が違う、と言うだけで全く逆の判決が言い渡されたのですから、韓国側の「不当判決」と書いた紙はさもありなん、と同情するだけのものがありました。
 双方の判決は、結局2001年に議員立法で生まれた「ハンセン病補償法」の解釈の違いが明暗を分けた理由だったようですが、かたや「法の性格」を論じて、戦前、日本統治下にあったイコール日本と同じ扱いをすべき、という結論だったのに対し、かたや「法の生まれ」を論じて、そもそも立法の時に海外の事情は考慮されていないイコールこの法律では補償できない、という結論、私などは、立法の時、法の有効範囲を戦前へも拡大していった際に、日本統治下にあった台湾や韓国を考慮にいれなかったという事自体がそもそもおかしい訳で、その事を考慮すれば台湾の判決こそ正しいと思ったりいたします。
 もっとも、専門家の解釈次第で全く逆の判断があり得ると言うのは、私には正直理解に苦しむ現象です。一つの法律に複数の解釈があり得るなど、まるで宗教の教義みたいではないですか。一国を統治するための道具にかくもぶれを生じると言うのはやはりおかしいと思うのです。韓国の原告団は控訴するそうですが、高裁には是非この際白黒はっきりしてもらいたいと思います。
 
 ところで昼間これを報じたニュース、同じ内容の裁判について、ただ台湾勝訴、韓国敗訴、しか言わないのでは何の事やらさっぱり判りません。結果を速報することも大事なんでしょうが、せめて何故台湾は勝訴の判決になったのか、、何故韓国は敗訴だったのか、位は一言添えて報道して欲しいと思います。


コメント (1)
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