かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

キティーホークの後継が原子力空母と言うのは頼もしい事です。

2005-10-30 20:56:11 | Weblog
 横須賀を母港とするアメリカ空母「キティーホーク」が退役し、その代わりに原子力空母を配置するらしいです。就役が1961年と言いますから、実に44年前の古い船。大東亜戦争当時なら日本海海戦の主力艦三笠に相当する船齢の艦が、前線勤務していることになるわけです。もちろん明治時代の造船技術と昭和・平成のそれとはレベルが随分と違うでしょうし、使われている材料からしてもその強度や耐久性は比較にならないとは思いますが、それにしても戦闘を目的とした船が40年以上も第一線で稼働しているというのが驚きです。建造当時どれほど先端技術をつぎ込んで設計・建造し、その後改修を重ねてきたとしても、基本設計の古さは否めないと思いますし、基礎体力的な部分で随分疲労を重ねてきていることでしょう。それで極東の最前線に配置され、日々軍務に就いていたというのは、感動的ですらあります。それと、この空母が通常動力だというのは恥ずかしながら今回のニュースで初めて知りました。てっきりアメリカの空母はみんな原子力で動いているものだと勘違いしておりましたので、認識を新たにした次第です。
 それはともかく、日々強力な軍隊を増強中の中国や、不穏さでは世界随一の北朝鮮など危なっかしい今日の極東地域に置いて、永らく日本の守りの一端をなしてくれた老雄は感謝といたわりをもって送り出し、新たな戦力の到着を喜んで迎えるのが現状における日本国民のあるべき姿でしょう。一番望ましいのは自分の国で空母や艦載機を開発・建造し、その運用方法を研究して使えるようにすることだと思うのですが、諸般の事情でそれがかなわない今の日本では、同盟国の新しい空母の配置は歓迎すべき事だと思うのです。
 それが反対されていると言うのが正直理解に苦しみます。それも理由が動力が「原子力」で危なっかしいから、反対なんだそうです。放射能漏れなどを危惧しているとのことなのですが、そもそも戦闘艦が放射能漏れなど起こしていたらいざ戦闘と言うときに役に立ちませんし、動力と言えば船の中でも最重要な部分で、防御にも充分な配慮がなされていることでしょう。軍艦というのが劣悪な環境でも充分な能力を発揮出来るよう、大きな余裕をもって設計・建造されていることを考慮に入れますと、ひょっとするとその安全性は、電力会社の原子炉よりも堅牢なのかも知れません。それを今にも放射能漏れを起こしかねないと言わぬばかりに不安視するのは、日々そんな原子炉が身近に何基も稼働する中で暮らしている原発のある町村の方々を冒涜する言葉とも言えるでしょう。大都市の住民は、そんな方々の「犠牲」の上で日々の便利な電気の生活を享受していることを、忘れているのではないのでしょうか?
 
 反対するのなら、原子力空母だから危なっかしい、などという根拠のない不安から出た反対論ではなく、具体的に何がどう危ないのかをきちんと筋の通った話をしていただくとともに、例えば原子力不要で、航空母艦を中核とする戦闘方式よりも効率的で効果が高く、我が国でも運用できる方法を提示するとかしてもらわないと、納得することが出来ません。永遠にありえないゼロ・リスクを求めるクセはそろそろ本当に改めるようにしていかないと、その無意味なこだわりが結局全てを失うことに繋がるかも知れないのです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする