かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

健康食品規制の記事は、どうも舌足らずな気がしてなりません。

2006-06-01 23:52:22 | Weblog
 夏コミ進捗状況。本日の到達枚数は86枚。昨日80枚にどれだけ近づけるか、と思っていたのですが、結局3枚ほど書いて終わりましたので、76枚止まりでした。今日はそれに10枚加えた訳ですが、日常仕事でそう時間がとれない中では破格の進捗ぶりだと思っています。なにせ、調子がいいのか半分ほど書いていた書きかけの30枚ほどの短編も一気に仕上げてしまいましたし、久々に小説の神様が降臨された様な気が致します。この調子で最後まで走ることができれば、本当に再来週には脱稿できちゃうかも知れませんね。

 さて、欠かさず見ている番組のビデオ取りも忘却するほど自分の世界に浸り込んでおりますと、世間の動きなんてモノにはとんと目がいかなくなります。一応新聞は毎日目を通すようにしてはいるんですが、あんまり気を引く記事もありませんし、気がつくと小説のためのネタ探ししていたりもして、ニュースの動向にも興味がわかなくなってくるようです。この時期から夏にかけて、有明に集う猛者どもは皆さんそんなものなんでしょうか? それとも私が単に不器用なだけなのかも?
 といいつつ今日琴線に響いたのが大豆イソフラボン摂取に上限値設定のニュース。いわゆる特定保健用食品に対する安全規制が本格化しつつあるということでしょう。大豆イソフラボンは女性ホルモンと同じような働きを体内で示し、骨粗鬆症とかに効果が期待できる、ということで注目を集め、今や健康食品の代表選手の一つになっております。大豆は昔から日本人が常食する食品の一つで、故に大豆イソフラボンについてはいくら食べてもさほど心配はない、というような誤解がありましたが、昨今の健康食品ブームで抽出・精製濃縮されたイソフラボンが大量に出回ったため、大豆食品から摂れるより遙かに上回る量を一度に摂取できるようになったのが、問題の発端でした。結局色々紆余曲折を経て、指導基準として、食事コミで1日70~75mg、食事以外からは30mgまで、なお、妊婦や子供が食べることは推奨しない、ということで決まりそうです。実はこの記事、かなりのはしょりがあって正確ではありません。書いた記者の方がよく理解していないのか、あるいは厚生労働省がちゃんと説明していないのかは判りかねますが、多少誤解を恐れずに書くならば、大豆イソフラボンそのものの量で規制されているのではありません。イソフラボンという物質はポリフェノールの一種でそういう意味ではお茶のカテキンとかブルーベリーのアントシアニンとかと同じ仲間の物質です。これは、フラボン骨格という共通の化学構造をもっているのですが、それぞれ微妙にその構造をなす部品が違ったり、ついている部品の位置が違うために、色々違う物質になっています。それと、イソフラボンに限らず、ポリフェノールには、糖がくっついて配糖体、というカタチになっていることが多くあります。大豆イソフラボンもやはり配糖体になっていて、いわゆるイソフラボンの部分だけを、アグリコンと呼びます。新聞に載っていた規制値もこのアグリコンでの量を示しているので、実際に摂取するときはくっついている糖の分重めなイソフラボンを取ることになるのです。もちろん、イソフラボンもアグリコンもあるグループの総称みたいなもので、それぞれには色々な物質が混在しています。例えば大豆イソフラボン配糖体にはダイジン、ゲニスチンなど、糖が取れたアグリコンになると、ダイゼイン、ゲニステイン、グリシテインというように細かく名前が付けられています。
そのあたりを全部はしょってあるのが、報道機関が流してくれている情報です。
 あと、肝心な事が一つ抜けています。納豆一パックに含まれるイソフラボン量は書いてありますけど、豆腐とか煮豆とか、他の食品ではどうか、とか、大体1日どれくらい今の日本人はイソフラボンを食品から摂取しているのか、というような情報が欠けているのです。私が見たデータでは、日本人の一日あたりの大豆イソフラボンアグリコンの摂取量は1日約18mgだそうで、それなりに結構食べているんだな、と言う気が致しました。ちなみに納豆一パックは30から40mg位、以前納豆を一日2パック食べると食べ過ぎ、という話がテレビか何かでやっていた気がするのですが、その根拠はここにあるのでしょう。もっとも、いくら納豆好きだって毎日毎日欠かさず2パック食べるヒトはそういませんでしょうし、こういうモノは多分個人差もあるでしょうから、ヒトによってはもっと少量で害が出ることもあれば、もっと大量摂取しても大丈夫なことだってないとは限りません。
 まあどんなものでも身体に効く、ということは、それだけ化学的な反応性に富むと言うことであり、すなわちそれは毒と変わりない、ということでもあります。結局毒も薬も使い方次第と言う訳なので、正しい知識と用法が、この手のモノには欠かせないのです。

コメント
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