なんか地元のシネコンで「るろうに剣心」の先行上映をやる、という話を見かけたので、観に行ってきました。
「るろうに剣心」は言わずと知れた週刊少年ジャンプの往年の人気マンガで私も全巻揃えて楽しんだ口ですが、突っ込みどころ満載の内容を熱さとカッコ良さで強引に突っ走って破綻させずに大団円を迎えたという稀有の怪作です。アニメにもなって、オリジナルストーリーをいくつかはさみながらずいぶん長いこと放映されたりOVAが制作されたりしておりましたが、その実写化ということで、色々な意味で楽しみにしていたのでした。果たして地雷か良作か、不安7割期待3割くらいでしたが、結果的に言うと、実に面白い映画でした。こういう原作ありきの映画化の場合、映画制作側が勝手に設定をいじって作品を台無しにしてしまうことが多々あり、それが今回の不安の最大の要素だったわけですが、原作ストーリーを上手く生かしながらオリジナル設定を嵌めこみ、盛りだくさんの内容を手際よく2時間少々の物語に仕立てあげられているのを観て、その不安は杞憂に終わりました。私はアニメにおける主人公緋村剣心の声(涼風真世)がずっとしっくりこなかったのですが、今回佐藤健の演じる剣心を観、その声を聞いて、実にしっくりはまったように感じたのでした。生身の人が演じる以上、どれだけ努力しようと所詮コミックスやアニメとは明らかに差異のあるビジュアルにしかならず、それがまた実写版を観る時の地雷の一つになったりもするのですが、この映画に関してはそのきらいはほとんどありませんでした。
そして敵役武田観柳役の香川照之の怪演ぶり! コミックスやアニメでは無かった迫力と存在感が素晴らしく、まさに悪党そのものという姿に圧倒されるものがありました。それと吉川晃司が演じる鵜堂刃衛もまたよくできていました。ネタバレになるので詳しくは避けますが、ラストの剣心とのバトルは原作ファンなら思わず快哉を叫んでも不思議ではない出来ではないかと思いました。
一方、ちょっと残念に感じたのが斎藤一です。なんといっても無駄口叩き過ぎ。また、悪即斬!のダーティーヒーローが息を潜め、妙に正義の警官っぽいのが鼻につきましたし、壬生浪の魂をどこかに忘れてきたかのように山県有朋へペコペコしている姿になど「こんなん斎藤一ちゃう!」と言いたくなりました。ただ、終盤一回だけ見せてくれた「牙突」の構えだけは素晴らしく格好良かった。連載当時子供たちが傘でマネをした、と聞きましたが、あれを観てさもありなんと思わせる美しさがありました。
もう一つ難点があるとすると、乱戦の時の殺陣がごちゃごちゃして見づらかったこと。最初は何がどうなっているのかよく判らなくてあまりのごちゃごちゃブリにこれは地雷だったか?と疑ったくらいでした。でもひょっとしたら敢えて奏しているのかもしれませんね。敵味方入り乱れての戦の光景なんてあれくらい混沌混乱訳わからん状況だったことでしょうし。
という訳で、久しぶりに面白い実写の日本映画をみました、と思ったのですが、これって配給がワーナー・ブラザーズで製作総指揮もウィリアム・アイアトンというヒトですから、日本映画といっていいんでしょうか?
まあそのへんは疑問ナキニシモアラズですが、原作を知らない人でも十分楽しめると思いますし、知っていればより色々と楽しむ事ができるでしょう。ちなみに、いちいち必殺技の名称を叫んだりはしませんでした、というかほとんど必殺技って出てなかったんじゃないでしょうか?
「るろうに剣心」は言わずと知れた週刊少年ジャンプの往年の人気マンガで私も全巻揃えて楽しんだ口ですが、突っ込みどころ満載の内容を熱さとカッコ良さで強引に突っ走って破綻させずに大団円を迎えたという稀有の怪作です。アニメにもなって、オリジナルストーリーをいくつかはさみながらずいぶん長いこと放映されたりOVAが制作されたりしておりましたが、その実写化ということで、色々な意味で楽しみにしていたのでした。果たして地雷か良作か、不安7割期待3割くらいでしたが、結果的に言うと、実に面白い映画でした。こういう原作ありきの映画化の場合、映画制作側が勝手に設定をいじって作品を台無しにしてしまうことが多々あり、それが今回の不安の最大の要素だったわけですが、原作ストーリーを上手く生かしながらオリジナル設定を嵌めこみ、盛りだくさんの内容を手際よく2時間少々の物語に仕立てあげられているのを観て、その不安は杞憂に終わりました。私はアニメにおける主人公緋村剣心の声(涼風真世)がずっとしっくりこなかったのですが、今回佐藤健の演じる剣心を観、その声を聞いて、実にしっくりはまったように感じたのでした。生身の人が演じる以上、どれだけ努力しようと所詮コミックスやアニメとは明らかに差異のあるビジュアルにしかならず、それがまた実写版を観る時の地雷の一つになったりもするのですが、この映画に関してはそのきらいはほとんどありませんでした。
そして敵役武田観柳役の香川照之の怪演ぶり! コミックスやアニメでは無かった迫力と存在感が素晴らしく、まさに悪党そのものという姿に圧倒されるものがありました。それと吉川晃司が演じる鵜堂刃衛もまたよくできていました。ネタバレになるので詳しくは避けますが、ラストの剣心とのバトルは原作ファンなら思わず快哉を叫んでも不思議ではない出来ではないかと思いました。
一方、ちょっと残念に感じたのが斎藤一です。なんといっても無駄口叩き過ぎ。また、悪即斬!のダーティーヒーローが息を潜め、妙に正義の警官っぽいのが鼻につきましたし、壬生浪の魂をどこかに忘れてきたかのように山県有朋へペコペコしている姿になど「こんなん斎藤一ちゃう!」と言いたくなりました。ただ、終盤一回だけ見せてくれた「牙突」の構えだけは素晴らしく格好良かった。連載当時子供たちが傘でマネをした、と聞きましたが、あれを観てさもありなんと思わせる美しさがありました。
もう一つ難点があるとすると、乱戦の時の殺陣がごちゃごちゃして見づらかったこと。最初は何がどうなっているのかよく判らなくてあまりのごちゃごちゃブリにこれは地雷だったか?と疑ったくらいでした。でもひょっとしたら敢えて奏しているのかもしれませんね。敵味方入り乱れての戦の光景なんてあれくらい混沌混乱訳わからん状況だったことでしょうし。
という訳で、久しぶりに面白い実写の日本映画をみました、と思ったのですが、これって配給がワーナー・ブラザーズで製作総指揮もウィリアム・アイアトンというヒトですから、日本映画といっていいんでしょうか?
まあそのへんは疑問ナキニシモアラズですが、原作を知らない人でも十分楽しめると思いますし、知っていればより色々と楽しむ事ができるでしょう。ちなみに、いちいち必殺技の名称を叫んだりはしませんでした、というかほとんど必殺技って出てなかったんじゃないでしょうか?
