かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

隠蔽工作は確かにひどいですが、不正製法自体は一概に悪い事でもないのでは?

2015-12-04 23:17:48 | Weblog
 今日は出歩くのが一苦労するほど冬の季節風である強烈な西風が吹き荒れ、気温はそこそこなのにやたらと寒さが募る一日になりました。この風が吹くとまさに冬本番という感じがしてきます。明日朝は先日ほどではないもののそれなりに冷え込む予報ですから、今夜は暖かくして寝て、一応小康状態の風邪を悪化させないようにしなければなりません。

 さて、熊本市の化学及血清療法研究所(化血研)の不正問題、第三者委員会報告では、「組織ぐるみ」「利益優先」「常軌を逸した隠蔽体質」などと厳しい指摘が連ねられていた、と報道でセンセーショナルに取り上げられておりましたが、一方で、国の承認を受けていない化血研独自の改良処方で製造された製品が、販売前に適正な手続きを経た国家検定を受けて合格しており、重篤な副作用事例も無かった、と明記されていた点は、副作用事例がなかった、というのはそれなりに見た気がしますが、国の検定に合格しているという点はあんまり見かけなかったみたいです。単に私が情報に疎いだけの可能性が高いのであんまりその点をどうこう言おうと言うつもりはないのですが、この報告書を読んで一番気になったのは、結局不正行為で持って製造された事を、国家検定では見抜けなかったという点でした。また、「利益優先」と糾弾されるのにも、民間企業なんだから「利益優先」は当たり前だろう、と感じてしまうので、どうも違和感を覚えます。それも、隣の国のように健康被害など無視した明らかな偽物が横行するような状況なら「利益優先」と激しく怒るのもありでしょうが、化血研のやっていたことは、私が見る限り製法の改善・改良であって、より早く、より効率よく、よりよいものを作ろうとしていた、という、製造業としては至極まっとうな活動の結果であり、出来た製品が検定にも合格しているのをもって、一体何が問題なのか、と言っても良いんじゃないか? と少しは考えてしまうほど、不正の程度は大したこと無い、と思えてしまうのです。まあ彼の国と比べるから「マシ」に見えるだけで、隠蔽工作の部分などを読むとやっぱりちょっとこれは容認いたしかねるなあ、とも思うのですが、改良製法を国に届け出たとして承認されるまで最低2年はかかる、という制度上の問題も、もう少し課題にあげても良いんじゃないかなぁ、と思ったりいたします。第一、以下に隠蔽工作が精緻を極めたとはいえ、長年不正を見抜くことが出来ず、その不正方法で製造された製品に合格を出し続けた厚労省の責任については、もっと追求されても良いのではないでしょうか?私が一番危惧するのは、この事件を受けて、新薬とかの審査・承認過程が更に複雑で厄介なものになって、いつまでたっても許可がおりない、何て言うような羽目にならないか、と心配いたします。不正は不正としてしっかり裁くべきでしょうが、それで研究開発の足に要らざる重りを追加されるような事にはならないように、願いたいものです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする