今日は久しぶりに青空が広がった気持ちのよい天気でした。それでも最高気温は26.8℃で収まり、まさしく秋到来を印象づける爽やかな空気感でしたが、何より驚いたのが、朝の最低気温が13.8℃まで下がったことです。涼しいを超えて寒いと言うにふさわしい気温で、朝の通勤はセーターを着て車に乗りました。明日は雨模様で蒸し暑さを覚える天気になりそうですが、その後はグッと気温も落ちてきて、ようやく本格的な秋を迎えることができそうです。
さて、ノーベル医学生理学賞を受賞された大隅良典栄誉教授が、今日発足した東京工業大学科学技術創成研究院の記念式典で講演を行われました。その中で大隅教授は、「私の研究は、20年前に始めた研究の成果。ノーベル賞学者が日本で毎年出ているなんて浮かれている場合ではない」と述べ、基礎科学を取り巻く現状に警鐘を鳴らされたとのことです。
確かにノーベル賞の連続受賞は実におめでたいことで、我が国の科学的な能力の高さを象徴する出来事ではありましたが、大隅教授ならずとも先行き不安を覚えるのは、今の大学の先生たちの立場を少しでも知ることができれば容易に思いつくことができる話です。なにせとにかく時間がありませんしお金もありません。教授会を始めとする学内の雑務に追われ、学生の授業や指導に時間を取られ、学内や文部科学省などに提出する書類を山のように作らされ、一体いつ研究や実験をしているのかと傍から観ていても不思議なほど、文理問わず大学の先生方には自由になる時間がありません。また、研究資金も、競争型公募型事業が大半を占めるようになり、その申請準備やら採択されたらされたで今度は経理事務やら報告書作成・提出に追われ、その上肝心のお金は使い勝手が悪く、年々縛り付けがひどくなる各種規制を少しでも逸脱すれば「不正使用」の烙印を捺されて事業費をとれなくなるという状況で、一体我が国の基礎科学がその能力を果たして今後も維持できるのか、と言うと実に心細いというか、絶望的な感さえ漂う情けなさです。これもひとえに先見性と指導力の欠如した文部科学省の迷走にありますし、また、政権を担う政治家達の科学音痴による害だと言えます。ゆえにこそ、一時は理系出身の鳩山総理には少しは期待したのですが、結果はあの体たらくで理系らしさはその変人ぶりだけにしか発揮されず、更に民主党は事業仕分けなる愚行で研究の基礎部分に深刻なヒビを入れて終わるという情けなさでした。
なにはともあれ、政治家や文科省に大隅教授の警鐘を真摯に聞く耳があるのなら、まずは大学のあり方を改革し、研究者にあらゆるしわ寄せが来る現状をしっかり認識した上で、これまでそれを許してしまった自分たちの不明を恥じ、改めて研究者があらゆる面でちゃんと研究できるようにする体制を構築することに傾注するべきでしょう。
ただそれは、結局のところ国民全般に科学音痴が過ぎる弱点を何とかするしか無いのかもしれません。特に情報の伝達を担当するマスコミがあの体たらくでは全くもって先行きは暗いばかりです。芸能人が「ノーベル賞は飽きた」と言わんばかりの発言をしてネットでは炎上してたりしますが、マスコミがお祭り騒ぎ以上の事ができないという点においては、ある意味真意を突いていたんではないかと思います。何とかしなければいけないとすればまずここからかも知れませんが、政治家や官僚に理解してもらうよりも絶望的な話になりそうなのが困りものです。
さて、ノーベル医学生理学賞を受賞された大隅良典栄誉教授が、今日発足した東京工業大学科学技術創成研究院の記念式典で講演を行われました。その中で大隅教授は、「私の研究は、20年前に始めた研究の成果。ノーベル賞学者が日本で毎年出ているなんて浮かれている場合ではない」と述べ、基礎科学を取り巻く現状に警鐘を鳴らされたとのことです。
確かにノーベル賞の連続受賞は実におめでたいことで、我が国の科学的な能力の高さを象徴する出来事ではありましたが、大隅教授ならずとも先行き不安を覚えるのは、今の大学の先生たちの立場を少しでも知ることができれば容易に思いつくことができる話です。なにせとにかく時間がありませんしお金もありません。教授会を始めとする学内の雑務に追われ、学生の授業や指導に時間を取られ、学内や文部科学省などに提出する書類を山のように作らされ、一体いつ研究や実験をしているのかと傍から観ていても不思議なほど、文理問わず大学の先生方には自由になる時間がありません。また、研究資金も、競争型公募型事業が大半を占めるようになり、その申請準備やら採択されたらされたで今度は経理事務やら報告書作成・提出に追われ、その上肝心のお金は使い勝手が悪く、年々縛り付けがひどくなる各種規制を少しでも逸脱すれば「不正使用」の烙印を捺されて事業費をとれなくなるという状況で、一体我が国の基礎科学がその能力を果たして今後も維持できるのか、と言うと実に心細いというか、絶望的な感さえ漂う情けなさです。これもひとえに先見性と指導力の欠如した文部科学省の迷走にありますし、また、政権を担う政治家達の科学音痴による害だと言えます。ゆえにこそ、一時は理系出身の鳩山総理には少しは期待したのですが、結果はあの体たらくで理系らしさはその変人ぶりだけにしか発揮されず、更に民主党は事業仕分けなる愚行で研究の基礎部分に深刻なヒビを入れて終わるという情けなさでした。
なにはともあれ、政治家や文科省に大隅教授の警鐘を真摯に聞く耳があるのなら、まずは大学のあり方を改革し、研究者にあらゆるしわ寄せが来る現状をしっかり認識した上で、これまでそれを許してしまった自分たちの不明を恥じ、改めて研究者があらゆる面でちゃんと研究できるようにする体制を構築することに傾注するべきでしょう。
ただそれは、結局のところ国民全般に科学音痴が過ぎる弱点を何とかするしか無いのかもしれません。特に情報の伝達を担当するマスコミがあの体たらくでは全くもって先行きは暗いばかりです。芸能人が「ノーベル賞は飽きた」と言わんばかりの発言をしてネットでは炎上してたりしますが、マスコミがお祭り騒ぎ以上の事ができないという点においては、ある意味真意を突いていたんではないかと思います。何とかしなければいけないとすればまずここからかも知れませんが、政治家や官僚に理解してもらうよりも絶望的な話になりそうなのが困りものです。