かっこうのつれづれ

麗夢同盟橿原支部の日記。日々の雑事や思いを並べる極私的テキスト

石巻市大川小の大震災津波事故、県と市はやっぱり上告するんですね。

2018-05-08 20:14:33 | Weblog
 今朝の奈良市アメダスの最低気温は15.6℃、最高気温は18.9℃、五條市アメダスの最低気温は15℃、最高気温は17.4℃でした。気温は低い、雨は止まない、とまるで本当に梅雨のような天気が昨日から続いています。予報では明日朝未明まではこの調子だそうで、それからようやく前線が南に下がり、青空が帰ってくるそうな。花粉の心配が少なくなるので雨はありがたいのですが、こうも続くと流石に嫌になってきます。そろそろ天気も回復して欲しいです。

 さて、2011年に発生した東日本大震災、それに伴う津波で小学生23人や先生が犠牲になった石巻市大川小の遺族が市と宮城県に対して起こした損害賠償訴訟、2審の仙台高裁の判決を不服として、石巻市議会が8日に開かれた臨時会で、市が提出した上告提起の議案を賛成多数で可決しました。宮城県も市の動きに追随する予定だそうで、この裁判の判決は最高裁の判断に委ねられることになりました。まあいろいろ見解の相違もあるでしょうし、当時適切に動いていれば助かった可能性が高かった、という諦めきれない思いも無視できないと思いますが、結果として結審するまでにまだしばらくの時間がかかることがほぼ決定したわけです。この上は、少しでも早く決着が付くよう、最高裁の活動に期待を寄せるよりありません。
 それはともかくとして、被告である石巻市長は、未曾有の大災害であった東日本大震災を予見などできないし想定できなかった、と主張しておられるのに対し、仙台高裁が求めているのが、東日本大震災云々ではなく、2004年に作られた、宮城県沖地震の際に発生する津波の話をベースにした安全対策であるのが、どうもズレた議論になっているような感じがします。2004年の想定など正直今まで知らなかったのですが、実際に津波浸水予想区域も定められていたようですから、県も市もそれに基づいた安全対策を立案していたでしょう。今回の大震災の津波がその2004年想定を遥かに超えるまさしく「想定外」の事態であった、と証明できない限り、市や県の勝ち目は見えてこない気が致します。
 一方で、素人目にはその2004年想定でも大川小は津波浸水予想区域外になっている、というのは争点足りうるような気がします。高裁は、「校長らに必要とされる知識や経験は住民の平均よりはるかに高いレベルでなければならない」として、「詳細に検討すれば、大川小が津波浸水予想区域外だとしても、津波の危険を予見することは十分できた」と結論付けていますが、流石にそれは言い過ぎではなかろうか、たかだか学校長風情に一体どんな超判断を求めるのか、という気にもなります。裁判所の法律屋さんが、その手の「超判断」を極限状態のヒトに求めるのは何もこの件だけでは無いようにも思いますが、まあ避難場所さえ決めていなかったという学校の怠慢を攻めるのは判るので、ある程度の瑕疵は学校にもあったのは間違いないでしょう。それでも、津波浸水予想区域外に設定されているのに津波を予想しろ、なんていうのは、流石に無茶が過ぎるように思います。ならば本来責められるべきは小学校ということさら安全に気を使わなければならない施設を津波浸水予想区域に入れなかった、区域設定当時の誰かさんなんじゃないの? とも思うのですが、それはやっぱり石巻市や宮城県だったりするんでしょうか?

コメント
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