先日、熊野三山を巡ってきました。
那智大社や本宮大社などでは、日本人観光客だけでなく外国人観光客の方々も多く見かけました。外国の方々のうち中国語を話す方々はツアーでしょうか、観光バスで移動されていることが多いように思いましたが、その他の国の方々はどちらかというと、もっと小さい単位、個人か家族程度の人数で多く移動されているように感じました。(写真はイメージ)
そこで感じたことですが、日本の観光を考えたとき、モビリティを活かした観光を積極的に推進し、個人の旅行者の方に働きかけをしてはどうでしょうか。
というのも、紀伊半島をバイクで乗っていて感じるのは、中山間地域での日本的な風景や街並み、人の暮らしの息吹に引き寄せられる感覚があるということです。目的地までの道のりをただひたすらに進むのではなく、ふと寄り道をしながらその場の空気を知ってみたい・・・そんな感覚をおぼえるのです。
もしかすると、個人や少人数で日本を訪れている人たちは、そういう感覚を感じたいのかもしれないと思います。
そう考えた時、公共交通に乗って移動もよいのですが、気軽に細い道にも入っていくことのできるモビリティでの旅の提案もありではないかと思います。モビリティの形態は、バイク型だけでなく最近いろいろと開発されている超小型モビリティでよいでしょう。
そのようなモビリティでの移動をしやすくすればいいだけで、外国の方を想定すれば、日本国内の交通法規を学べる研修機関(自動車学校などで可)で、数時間の講習と教習所内での実走などを組み合わせて、乗ることに対するハードルを下げれば、日本の街並みをもっと楽しめるのではないかと思います。
その際、考え方は大きく2つあると思います。一つは、観光の拠点となるまちにモビリティの起点を置き、そこを中心としてレンタルで移動するという考えで、もう一つは、起点となるまちを決めそこをスタートに1日から数日かけて周遊するコースを設定し、それに対応できるモビリティをレンタルするという考えです。
前者の考えであれば、現時点でEVの超小型モビリティでの対応が可能な領域ですが、後者になると、現時点では小型バイクや軽自動車ということになるかと考えます。ただし、充電施設や充電機能の改良で、十分、小型EVも想定できるところだと思います。
鈴鹿で考えると、伊勢型紙のある白子を中心とした海岸線地区の散策から、庄野や石薬師宿を経由して、椿大神社をめぐることもできると考えられます。また、鈴鹿市内だけにとらわれることなく、近隣市町や近県と連携できれば、鈴鹿を行動の起点としてもらうこともできるのではないかと思います。鈴鹿をモビリティ観光の起点として、例えば、国道23~42を通って熊野三山めぐりも視野に入れられると思うところです。
振り返ると、私たち自身もゆっくり時間や空間、その土地の空気を感じながら旅をすることをしなくなっているかもしれないと思います。車中泊をできるように軽自動車を改造したりも流行っているとのこと。これからの観光を考えるときは、大きなイベントを軸に考えるのではなく、やはり身近な発見を大切にすることも大切だと思います。それが細く長く、地域の持続可能性にもつながる道だと思います。
このような可能性を少し検討してもよいのではないかと考えていました。